ガクボを牽引する早大エースメンバーのクロストーク~泉風雅&分部良&許博雷(前編)【GKB応援団:早大バーベルクラブ編】

学生ボディビル、通称・学ボを盛り上げるべくスタートした連載「学ボ応援団(GKB応援団)」。昨年の全日本学生ボディビル選手権大会で団体戦優勝に輝いた早大バーベルクラブから泉風雅(4年・昨年準優勝)、分部良(3年・昨年7位)、許博雷(3年・昨年14位)の3人が登場! 今年のガクボ界を牽引する彼らの素顔に、ちびめがさんが迫りました。

1日10分の腹筋で部分賞を獲得!?

――まずはトレーニングを始めた理由を教えてください。
 高校ではテニスをやっていたのですが、2年生の時に肩を脱臼して手術することになって、リハビリのために筋トレをはじめたのがきっかけです。リハビリ中は筋トレしかすることがなくて。そんな中、YouTubeで「ミスター早稲田」の動画を見てかっこいいなと思い、早稲田大学を選んだ理由もそれがすべてです。

――今の泉君の体からは、テニスなんて想像できないです(笑)。
 ローテ―ターカフを鍛えるやつをやっていたら、やり方を間違えたのか、三角筋がどんどん大きくなっちゃって。なんかそれが楽しいなって思ったのを覚えています。
分部 僕はまったく違いますね。早稲田大学自体は、文学部に行きたいと思って入りました。バーベルクラブの存在は知らなかったのですが、入学したときに友達とサークルを探しているときに、彼が「俺、ここに入るから一緒に筋トレしようぜ」って。じゃあ俺もするわ、というだけで、あまり深い理由はないんです。博雷は?
 自分は泉さんと似ていますね。高校の時から筋トレにハマっていたのですが、その時はまだ、腕立て伏せとかを少しやるくらいで。大学に入ってから筋トレYouTuberを見るようになって、あんな風にかっこよくなりたいなと思ったんです。ちゃんと真面目に、プログラムを組んで、ジムに通い始めて、そんな時にバーベルクラブの人たちを見て入部を決めました。

泉風雅(4年)

――みんなそれぞれ違うんですね。泉君といえば、私としてはなんか急に出てきた存在っていうイメージがあるんです。「どこにこんな選手が眠っていたんだ!?」と。「ミスター早稲田」でも現在2連覇中ですけど、1年生のときは何していたんですか?
 「ミスター早稲田」は出ていないです。めちゃくちゃ太っていただけでした。1年生の時は減量もしていなくて、とにかくトレーニングをしていた感じ。4年間の学生生活通しての目標が“ガクボ”優勝だったんです。いろいろ失敗したこともありましたが1年生の時はいろいろ試して、3,4年生で獲れればいいなと思っていました。

――分部君は、去年の関東学生ボディビル選手権大会で腹筋の部分賞を獲得。日体大・相澤隼人君の全制覇を阻んだ存在として注目されたと思いますが、獲れる自信はあったんですか?
分部 いえいえ、そんなわけないですよ。そもそも決勝審査へ行けるとも思っていなくて。フリーポーズを練習したのも、ステージに立つ直前でしたよ。

分部良(3年)

――それは驚き! そこまで結果にこだわっていたわけではないんですか?
分部 個人的には、全日本学生ボディビル選手権に出られればいいかな、と思っていたぐらい。泉さんたちや、その上の代が寡黙に頑張っている姿を見て、自分も出てみようかなと。正直、“参加した”くらいの気分なの部分賞を獲れてしまって……。腹筋だって、そんなに集中的に鍛えたわけではありません。

――そうなんですね。てっきり腹筋を狙っていたのかと思っていました。
分部 順位がついちゃったので、正直今はトレーニングも妥協せずにやっています。
 なんか、去年はずっと腰が痛いって言ってなかった? 腹筋を鍛えるきっかけは何だったの?
分部 そうなんです。2年生の春に軽いヘルニアになってしまって。それから、腹筋をやろうと思いました。パワーリフティングの先輩にも「コアが弱いんじゃないか?」と言われて。ビッグスリーだけ1年生の時はずっとやっていたのですが、補助種目は全然やっていなくて。春先からアームカールを始めたくらい。そこで腹筋やったほうがいいなと思って、毎日10分やるようにしたんですよ。

――……10分?(笑)
 回数じゃなくて?
分部 毎日10分、自分な好きなものを。今日はツイストしてみよう、みたいな感じです。メニューをあまりガッチリは決めないので、割と思いつきのものを、思いのままにやります。

――綿密にプログラムを組むという許君から見て、どう思いますか?
 ……まぁいいんじゃないですが、人それぞれで。
分部 (笑)。でも、思いつきと言っても、「今日はこれやろうと」一応決めていますよ。
 こないだ、「今日はスクワットやろう」って言いながら来たのに、みんながアップライトロウをやってたら、「じゃあ俺もやろう」とか言ってやってる時もありましたけど。
分部 インターバル中にみんなを見たら、なんか楽しそうだなって思って。

許博雷(3年)

――分部君は自由人ですね(笑)。これだけすごいメンバーが揃っていると、一緒にやる時はお互いのトレーニングが気になったりしますか?
分部 自分は、みんなすごいなぁって思いながらしょっちゅう見ていますよ。これを自分に取り入れてみたら楽しそうだな、とか考えたり。
 良さそうじゃなくて、楽しそうなんだね。
分部 泉さんもそうじゃないですか?
 そうだね。去年は競技のことを考えすぎていたなというところもあって、最近は楽しさを優先したりしています。今年に入ってからはトレーニングから離れていた時期もありました。この期間はあんまりトレーニングのことを考えなかったんですよ。そうしたら、本来の「筋肉をつけてカッコイイ体になりたい」という気持ちを思い出せた感じがします。

――やっぱりどこかそうやって、少なからずネガティブな気持ちになる時期が誰にでもやってくるものなんですか。
分部 いや、僕は全然ないですよ。楽しいと思うことしかしていないので。パワーリフティングをやりたいって思ったらやってみる、ボディビルをやりたいからやるとか。

――自分の気持ちに素直だ。
分部 もちろん、大会に出るなら結果を出したいと思ってやっていますよ。ボディビルに出場したいという気持ちがまずあって、じゃあ出場するためにはしっかりと絞り切った体にならなきゃいけない、と。中途半端にステージに立つのはダサいと思っているので。そこだけシンプルに考えてやっています。でも逆に、去年パワーリフティングにも出場したのは、あえて本来の目的から離れて、“こういう部員もいるんだぜ”というのを後輩に見せて、エントリーのしやすさを示してあげたいとの思いからでした。

――何か固定概念を覆そうとか、難しいことを考えているわけではないと。
分部 ですね。自分は楽しいと思えることしかしないので。

★後編に続く

インタビュー/ちびめが 写真/木村雄大