8/25(日)にかつしかシンフォニーヒルズで行なわれた「第54回東京ボディビル選手権」。令和初の「ミスター東京」となったのは、相澤隼人。昨年に日本体育大学に入学、鳴り物入りで大学ボディビル界デビューを果たすと、その肉体美で「第53回全日本学生ボディビル選手権大会」では各部門賞を含む完全制覇を達成したのは周知の通りだろう。
そんな弱冠19歳の彼が、史上最年少で東京の頂点に立った。表彰式では三井一訓、白井大樹とともにTOP3が絞られると、会場のボルテージは最高潮に。三井の名前が呼ばれ、そして白井の名前が呼ばれると、相澤は驚きとともにうっすらと涙ぐむような表情を見せた。
「あまりにも実感がないというか、夢を見てるんじゃないかという気持ちです。僕が獲ってしまってもいいのかなという気持ちもありますが、獲ったからには、責任を持って全日本へ道を広げていきたいと思います」(相澤)
今大会では、圧倒的なバルクで昨年の「第30回日本ジュニアボディビル選手権大会」で準優勝を果たし、今年7月の「第33回東京クラス別ボディビル選手権大会」で75キロ超級を制した榎本星矢がライバルの筆頭と言われていたが、直前に体調不良による欠場を表明。少なからず影響があったかに思われたが、「ライバルではありますが、ステージに立つ時には自分がやってきたことをやるだけなので、あまり気にはせず、自分がやることをやれました」と語っている。
ステージ上では周囲を気にすることなく臆せず、堂々と。その出で立ちはすでに百戦錬磨のビルダーたちとそん色ない姿を見せるが、一歩バックステージに入ると、やはり学生らしい笑顔で優勝の喜びを噛みしめる。
「もちろん狙っているものは一つだけ。ただそれ以上にボディビルを楽しみたいと思います」
大会前夜に自身のTwitterでそう語った相澤。楽しむことはできたか?と問うと、はにかみながらも、少年のように素直に真っすぐ前を向き、こう答えた。
「今日は楽しむことができました。鈴木雅さんも言っているように、トレーニングやボディビルは人生を楽しくするためのアイテムのようなものだと思っています。これからも“楽しんでなんぼ”という気持ちでやっていこうと思っています」
文・写真/木村雄大