誰も成し遂げたことがない「学生選手権4連覇」は魅力的【GKB応援団:前年王者・相澤隼人インタビュー(後編)】

いよいよ開催が迫った、「全日本学生ボディビル選手権大会」。各大学の学生たちを追ってきた連載「GKB応援団」に今回登場するのは、ディフェンディングチャンピオンである相澤隼人(日本体育大学)。すでに一般での活躍も光る彼に、大会直前インタビューを敢行した。後編の今回は、全日本学生選手権及び日本選手権に向けて。

日本クラス別選手権ではトップと圧倒的な差を感じた【GKB応援団:前年王者・相澤隼人インタビュー(前編)】

本気で獲るつもりでいかないと
最高のパフォーマンスを発揮できない

――一般ですでに活躍されていますが、所属は日本体育大学バーベルクラブ。現在2年生、顧問の岡田先生から学ぶことも多いんじゃないですか?

もちろんです。最近話したことで言えば、「あくまで1位を目指す」というところですね。「ミスター東京」は“絶対に獲る!”という強い思いが自分の中にあったんですけど、日本クラス別選手権は正直なところ、なんとなく「決勝に行ければいいかな」「並んだときにどう見えるかな」という感じで、目標が明確ではなかったんです。ただ、いざ4位になってみると、上に3人いることが悔しいと感じたんです。日本選手権に出場するにあたっても、今までは「10代最後の試合だな」という感じで思っていたのですが、やっぱり本気で獲るつもりでいかないと最高のパフォーマンスを発揮できないと痛感しています。

――メンタルがパフォーマンスに影響してくると。

そうですね。日本クラス別の審査で、ファーストコールでセンターに立ったときのステージングと、サードで呼ばれてどちらかといえばボーダー付近の選手と並んだときのステージングを見比べてみると、覇気が違うというか。心は表情にも出るし、体にも出るんだなと実感しました。本当に“獲る”つもりでいかないと、僕は本気になれないんじゃないかな、というのを岡田先生と話す中で感じました。

――ボディビルという競技は、事前に準備してきたものを当日に発揮するものだと思っていましたが、それだけではないわけですね。

自分もそうだと思っていましたけど、やはり事前準備の段階で、“本気で獲る”つもりで準備するのか、“これくらいいけるかな”という気持ちで準備するのかでは完成度が大きく変わってきます。強い気持ちを持って取り組んでいかないと、仕上がりとして良いものにはならないんだと。

――いよいよ学生選手権、日本選手権の日が近づいているわけですが、すでに一般で結果を残されているなかでも学生大会に出ることの意図を聞かせてください。

まず、僕は日体大バーベルクラブという部に所属している以上、学生として選手であるべきだと思います。一般で結果を残したからといって、自分だけ自由に大会に出るというのは他の選手にも失礼ですし。

――では、今のお気持ちとしては4連覇を狙っていると。

そうですね。自分自身、「最年少で」とか、「誰も成し遂げたことがない」ということに魅力を感じるものがあるんですね。「高校選手権3連覇」というのもそうですし。学生選手権は兄も出ていたのものありずっと見てきた大会でもありますし、今までの最高が2連覇ですよね。自分自身、「4」という数字を獲りたいと思ったのでエントリーさせてもらっています。

――以前、今年のシーズンが始まる前に「悔いが残っている」と答えているのを、別のインタビューで拝見しました。具体的にはどのような点で悔いがあったんですか?

無駄な時間を過ごしたな、というのが去年の反省ですね。世界選手権が終わってから、何も考えずにオフシーズンを過ごしていたんですよ。ただ体重を増やして、やりたいトレーニングをやって。で、減量期間に入って。いざ絞ったときに、デカくなっていないわけじゃないんですけど、自分が思い描いている体と違ったというのが「悔い」ですよね。ほぼ半年ぐらいを無駄にしてしまったと。今もそれは残っているので。あの時間を無駄にしなかったら、もしかしたら日本クラス別で3位や2位にいけていたかもしれないですし。その経験があるからこそ、1年を通して気を緩めたくないなというのは感じてします。

――そういうところも含めて、今は経験を積んでいるということですね。

もう時間は戻せないので、今やれることを一生懸命にやるだけですね。

――今年の大会、本来であれば最大のライバルと言われていただろう泉風雅選手(早稲田大学)も出場しませんが、他の選手のことは気にしますか?

あまり気にしませんね。ステージでは自分がやるべきことをやるのみなので。あっ、領さん(五味原、日体大4年)、すごいですよ。自分がこんな風に言うのもあれですけど、この前見た時、すっげーなぁって素直に思いました。カッコイイんですよ。自分とはタイプが違って、クラシックな体なんです。

――下馬評で言えば、当然、相澤選手の優勝は間違いないという声がほとんどだと思います。

ただ、どんな選手が出てくるかがわからないのが学生大会であると思います。とはいえ、今の自分の目標としては「日本選手権でいかに上位に食い込むか」というところにあって、それが今の一番のモチベーションになっているので、学生大会は自分がどう見えるかを確認する場でもあると思っています。

――日本選手権で目指すは、もちろん優勝だと。

もちろんです。そのつもりでやらないと全力は出せないのが僕自身わかったので。何位になれるかというのは審査員の方が決めることで僕が何とも言えるものでもないですし。優勝するつもりで準備していきます。

――大会での活躍、期待しております。

……なんか、いざシーズンが終わるとなるとやっぱり寂しいですね。3月から減量して、ここが近づいてくると「あぁ、終わりか……」みたいな。でも今は日本クラス別で圧倒的な筋量の差を感じたので、とにかくデカくなりたいという気持ちです。

――ちなみに今回、慕っている鈴木雅選手が欠場するのはやはり残念ですか。

まぁ……でもちょうど入れ替わり、僕が代わりになれればということで(笑)。

取材・文/木村雄大 写真/神田勲

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