胸まわりと腕の屈筋群のストレッチ
今回は前回の内容を踏まえ、「猫背」&「反り腰」のどちらにも共通した改善・予防のための実践法を紹介したいと思います。
一つ目のエクササイズは、胸まわりと腕の屈筋群を同時に伸ばしていくストレッチです。
まず前へ倣えの姿勢(写真1)で、上腕の重さをしっかり感じストンと肩甲骨が下がっていることを実感してください。
そこから手のひらを上に向けます(写真2)。
そうすることによって、胸を開いていくというイメージがより体感できると同時に、写真3への移行もスムーズになるでしょう。
次に手のひらを上にしたまま、両手にそれぞれお盆をもっているイメージでゆっくり、かつ肩が上がらないように注意しながら左右に開いていきます(写真3)。
ここで20秒キープ。
そこから、肘をゆっくり伸ばしていって再び20秒キープ(写真4)。
さらに、指先を下に向けるように手首を曲げて20秒キープします(写真5)。
このとき、手のひらもしっかり伸ばすように開いておくこと。そして、仕上げは手首の状態を保ったまま、後方に移動させていき20秒キープ(写真6)。
これを1セットとして丁寧に5回繰り返すだけで、体がポカポカ温まってくるはずです。
終わったら、肩の力を抜いて両手をぶらぶら振り、十分に伸びたところと伸ばし足りていないところを馴染ませるようなイメージ、かつ上腕骨頭が正しい位置に収まるようなイメージで、肩のポジションを整えていきます。
なお、神経系の伸展も同時に入るので、‟ピリピリ”と電流が走るような感覚も味わうはず。決して無理をせず、それぞれの強度は自分でしっかり調整しながら実施しましょう。
首まわりのストレッチ
次に、首周りのストレッチです。まず、両手を後ろで組みます(写真7)。
ここをスタートポジションとして、肘を伸ばしていきます(写真8)。
このとき、腹圧が抜けてしまわないよう意識して行なうことがポイント。
次に、肘をしっかりと伸ばしたまま、天井を見るように顎を上げていきます(写真9)。
そして仕上げは、口元で「アイ~ン!」(写真10)と発してみましょう。さらに強度が高まるはずです。
これを1セットとして丁寧に5回繰り返します。
山本康子(やまもと・やすこ)
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。
Scandic care (スカンディックケア)
〒162-0056 東京都新宿区若松町10‐1 YSビル2 F
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営業時間:平日. 11:00 ~ 21:00、土日祝. 11:00 ~ 20:00
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アー・ドライ治療院(新宿区)
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取材/光成耕司