子どもの健康な体づくりに。簡単にできる「スポーツ飯」




「スポーツをする子どもの栄養摂取・食事に関する調査」(2019年12月、n=100)をエバラ食品工業が10~15歳(小中学生)の子どもを持つ保護者に実施しました。その結果、約9割が「子どものスポーツをサポートするうえで食事は大切だと思っている」との回答が得られました。さらに、7割以上が「栄養のバランスが難しいと感じている」ことがわかりました。

国際的スポーツイベント開催などをきっかけに子どもがスポーツを始めると思う保護者が約7割


調査によると、93%の子どもが週1~2回以上の頻度で運動をしていることがわかりました。さらに、「スポーツ観戦やスポーツイベントが、子どもにとってスポーツを始める、意欲的に取り組むきっかけになると思いますか?」という質問には、67%が「そう思う」「少しそう思う」と回答。国際的なスポーツイベントが予定されている今年は、スポーツをする子どもがさらに増えそうです。

食事づくりの悩みのトップは「栄養バランスが難しい」


同調査で「子どものスポーツをサポートするうえで、食事は大事だと思いますか?」という質問には95%が「そう思う」「少しそう思う」と回答し食事の重要性を認識しています。

一方で「子どもへの栄養サポートが十分であるという自信がありますか?」という質問には78%が「自信がない」「少しあるが十分とはいえない」と回答し、十分ではないと感じています。さらに、食事づくりの悩みについての質問では「栄養バランスが難しい」と回答した人が最も多く72%。続いて「献立のレパートリが少ない」が57%、「ちょうどよい分量がわからない」が30%となっています。

では、スポーツをする子どもをサポートするためには、どのような食事が良いのでしょうか? スポーツ栄養に詳しい、公認スポーツ栄養士の橋本玲子先生に聞きました。

栄養バランスは1週間単位で考えよう

橋本先生は、「体を構成する筋肉や骨は食べたものからつくられているので、成長期の子ども・スポーツをする子どもにとって食事はとくに大切です。しかし、栄養バランスを難しく考える必要はありません。主食、主菜、副菜の3つをそろえることを意識すれば、栄養のバランスをととのえやすくなります。主食はごはん、パン、麺類など炭水化物を多く含む食品、主菜は肉、魚、卵などのタンパク質を多く含む食品、副菜は野菜、きのこ、海藻類で、朝食、昼食、夕食の3食ごとに、この3つがそろっているか、意識してみましょう。忙しい朝はハードルが高いと思うかもしれませんが、主食がパンならハムとチーズをのせてミニトマトをそえる、主食がごはんなら味噌汁に野菜や卵を入れて具だくさんにするなど、手軽にできることから始めてみましょう。大切なことは、1週間単位で子どもの食生活を振り返り、何が足りないかを見極め、それを補うようにすることです。一流のアスリートは海外遠征に行った時でも、食生活の自己管理を心がけています。子どもの頃にこの習慣が身に付けば、コンビニや外食をする際、また、海外遠征に出かける際にも応用ができるようになります」と解説しています。

タンパク質の適切な摂取量はどれくらい?

タンパク質には、筋肉や骨など体をつくる大事な役割があります。とくに成長期の子どもにとって、健康な体づくりや脳の発達に欠かせない重要な栄養素となります。橋本先生は「例えば、中学生男子(12~14歳)が1日に必要なタンパク質の目標摂取量は、1日75~115g程度※です。スポーツをする子どもの場合、エネルギーの必要量が増加するのにともない、タンパク質の必要量は通常より1日10~30g程度多く、94~145g程度※となります」と説明。タンパク質の摂取方法について「スポーツをする子どもたちの大好きな肉をはじめ、魚、卵、豆・豆製品など良質なタンパク質を含む食材を朝食、昼食、夕食に分けて、毎食2種類ぐらいずつ選んで食べるように心がけましょう。また牛乳・乳製品を毎日の食事にプラスすることでもタンパク質を摂取することができます」と解説しています。

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」身体活動レベル別に見たタンパク質の目標量より

現代の子どもは炭水化物が足りていない

「現代の子どもは、主食(炭水化物)が不足しがちです」と橋本先生。「炭水化物のうち糖質は、体を動かすエネルギー源となり、脳を働かせる大事な栄養素です。ですが、糖質制限が大人のダイエット法として流行してから、子どもたちの間でもごはんなどの主食を控える傾向が強くなったように思います。スポーツをする子どもは、成長や運動に必要なエネルギーを多めにとらなければなりません。これは主食を増やすことで補うことができます。その際、筋肉や骨をつくるもととなるタンパク質(主菜)と一緒にたくさん食べると良いでしょう」とアドバイスしています。

ごはんをおいしく食べられる肉料理がスポーツ飯の王道

「食への興味は、健康な体づくりにつながり、スポーツをするうえでも欠かせません。子どもの頃にできるだけ『楽しい』『おいしい』と思える体験を増やすことが大切です。とはいえ難しい調理は不要。簡単にできて、おいしく主食もたくさん食べられる焼肉をのせたどんぶりものや、定食などがオススメです。野菜とお肉を市販の焼肉のたれで炒め、ごはんにのせるだけで、主食、主菜、副菜が揃ったおいしいスポーツ飯になります」と橋本先生。


橋本玲子(はしもと・れいこ)先生
管理栄養士/公認スポーツ栄養士
株式会社Food Connection代表取締役
2019ラグビーワールドカップの栄養コンサルティングをはじめトップアスリートの栄養サポートを行なう。未来のアスリートを目指す子どもたちと保護者に向けて実践的な食育活動を実践。

主食、主菜、副菜の3つをおいしく手軽にとれるバランスメニュー 黄金豚バラ野菜焼肉丼


材料(2人分)
豚バラ肉(焼肉用) 300g
キャベツ 2枚
たまねぎ 1/2個
にんじん 1/4本
エバラ黄金の味(肉の下味用) 大さじ2
エバラ黄金の味(味付け用) 大さじ1
サラダ油 適量
ごはん どんぶり2杯分

黄金豚バラ野菜焼肉丼のつくり方
(1)豚肉は食べやすい大きさに切り、「黄金の味」で下味をつけます。キャベツは3cm角に、たまねぎはくし形切りに、にんじんは短冊切りにします。
(2)フライパンに油を熱し、(1)の豚肉を炒め、野菜を加えて炒め合わせ、「黄金の味」で味付けします。
(3)どんぶりにごはんを盛り、(2)をのせて、出来あがりです。

エバラ食品ホームページ「おいしいレシピ」