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【自転車ノスヽメ 】脱・満員電車とトレーニングを両立できる選択肢

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人混みを避けるなら自転車移動がベスト

新型コロナウイルスが猛威を振るい、「歴史的緊急事態」が地球規模で発生している。感染地域は拡大し、株価は世界的大暴落を記録。何より、犠牲者の数が、不幸にして増加の一途を辿っている。WHO(世界保健機関)は、遂に事実上のパンデミック宣言を発した。

スポーツ界への影響も深刻だ。
国際大会と日本の国内大会とを問わず、各競技で大会の延期と中止が相次ぎ、開催決行時は無観客試合が半ば常識化している。3月17日、国際オリンピック委員会(IOC)は、臨時理事会を経て、東京2020オリンピックを予定通り開催する方針を再確認したが、沸き起こった延期論は、引き続き各方面で現実的な議題となっている。一方、UEFA(欧州サッカー連盟)は同じ3月17日、EURO 2020の開催を1年先送りにすることを発表した。

競技レベルから離れ、健康維持増進といった一般レベルにおいても、新型コロナウイルスは影を落としている。スポーツジム利用者の感染事例が確認されたことを受け、日本フィットネス産業協会は、3月3日に「フィットネス関連施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」を発表。体育館など公営施設のトレーニングルームは、その多くが一時閉鎖という措置を取るに至った。民間のジムも、スクールやイベントの中止や延期、開催の場合も人数制限などの条件を設けるなど、制約的対応を講じている。

主な感染経路とされるのが、飛沫感染と接触感染。人混みを避けることが推奨されている。満員電車は、そもそも快適なものではないが、もはや危険を孕む空間と化している。

斯様な現状下、然らば自転車に乗ろう!
満員電車を避けての自転車移動は、それ自体がトレーニングであるばかりか、自らの罹患リスクを低減し、更には公共交通の混雑緩和に貢献する行為でもあるのだ。

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ロードバイクが必須ではない

走行距離と行程の起伏にもよるが、ロードバイクでなくとも良い。ロードバイクは、車体が軽く、ペダリングの力の伝達効率に優れている。そのため、平坦かつ短い距離にロードバイクを使用すると、あまりにも楽で負荷がかからず、無酸素運動にも有酸素運動にもならないのだ。坂道を行く場合も同様だ。傾斜が緩く距離が短い場合、ギア比の設定次第ではあるが、車体の軽さゆえに、負荷強度は低い。高速走行で強度を上げようにも、行程が短ければ直ぐに終了してしまう。そもそも、東京都心部などの場合、信号が多く、あまり加速できない道も多い。

鍛えることを目的にするのなら、ロードバイクでもクロスバイクでもなく、むしろママチャリがお勧めだ。緩い坂道でも、重力を身に感じることができるだろう。平地においても、ペダリングにより力学を実体験することができるだろう。通勤通学など、移動にどの位の時間を割けるかによるが、心臓破りの坂道が存在しない、片道5km以下の行程であれば、ママチャリで心拍数を上げるのが良いだろう。

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傾斜が厳しい坂、長い坂がある場合は、ロードバイクの出番だ。平坦でも距離が長い道を行くならば、これもやはりロードバイクで駆け抜けたい。トレーニングとして乗車するなら、少し重めのギア設定にすると良いだろう。あまりにも軽いギア設定では、スピードが出ず遅刻のリスクが高まり、極度に低い運動強度では有酸素運動としての効率も上がらない。ただし、交通事故の危険もあるため、過度にスピードを出すことは推奨できないが。

あまり運動習慣がない人ならば、電動アシスト付き自転車を活用してもいいだろう。高強度の電動アシストを使うと、自走している感覚すらなくなるが、アシスト機能をオフにしてしまうという荒技もある。コンパクトな構造をしているが、実際のところ、かなり車体は重い。中には比較的軽いものもあるが、大半は20kg~30kg程度の重さがある。充電を怠り、突然罰ゲームモード強制突入という経験を持つ人もいることだろう。長い距離を走る際、時折アシストゼロモードでペダリングすれば、移動手段と運動手段、両方の効率を引き出すことができるだろう。そこまでしなくとも、坂道と平地などでアシスト強度を使い分ければ、ある程度のカロリー消費を見込むことができるだろう。

疲労による抵抗力の低下、感染地域と感染経路の拡大の可能性など、様々な要因に注意は必要だ。そもそも季節の変わり目でもある。だが、現在の日本の状況を鑑みるに、満員電車を避けて自転車に乗ることは、新型コロナウイルス罹患のリスクを下げつつ行う、現実的なトレーニング手段の1つと言えるだろう。ただし、花粉症の人たちに推奨できるかどうかという疑問は残るのだが……。

 

取材・文/木村卓二(きむら・たくじ)
本業はTVディレクター。複数言語に通じ、ラグビー日本代表スクラムコーチ通訳(フランス語)、ラグビーW杯Broadcast Venue Manager、FIFA W杯Broadcast Liaison Officerなども歴任。世界各国のStrength & Conditioningコーチに感銘を受け、究極のトレーニングを求め、取材と研究に勤しむ。認定フィットネストレーナー資格を持ち、格闘家などへの指導も行なっている。