オンライントレーニングに参加してみた【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第117回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?

緊急事態宣言が解除される地域も増え、日常が戻りつつありますが、まだまだこれまでと同じようにとはいきません。オンライン会議、オンライン授業、オンライン飲み会……と、オンライン○○が当たり前となっている現在、パーソナルトレーナーの方が、オンライントレーニングという形で、お客様を指導することも増えています。

ジムでのパーソナルトレーニングの場合は、ジムにある豊富な器具を使うことができるのに対して、オンラインの場合にはどうしても自重や自宅で用意できる器具(チューブなど)を使ったトレーニングに限定されます。また、直接コンタクトしながらの指導ができないという点でも難しさがあるようです。

そうしたなか、整体&パーソナルトレーニング「Nature Body Plus(ネイチャーボディプラス)」代表の房野哲也さんが、毎週土曜18時から無料公開しているオンライントレーニングに参加してみました。この日のトレーニングは、スクワット、ランジといった下半身から、種類を変えた腕立て伏せ、腹筋、背筋といった自重トレーニング。畳一畳分のスペースがあればできるので、誰でも自宅で行なうことができます。

自重トレーニングは個人でもできるトレーニングではありますが、画面で房野さんがやっている動きをみながら掛け声に合わせて一緒にやると、一人で黙々とやるよりもテンションが上がる気がしました。種目と種目の間の休憩時に感想のコメントを入れる人もいて、他の方々も頑張っていることを実感。あっという間に時間が過ぎていきました。

房野さんは現在、有料のオンライントレーニングと、無料のオンライントレーニングを実施。有料のオンライントレーニングは、これまでジムでやっていたのと同じように個人向けのパーソナルトレーニングで、新型コロナウイルスによる外出自粛で、ジムに来ることができなくなったお客さんのために始めたもの。一方、無料でオンライントレーニングを公開しているのには、2つの理由があると言います。

「新型コロナウイルスによる自粛で皆さんが運動不足だったり、元気がなかったりという状況があって、とにかく皆さんに元気になってほしいと思って始めたというのが一つ目の理由で、もう一つの理由は自分の勉強のためというのもあります。将来的にオンラインでストレッチ教室をやっていきたいと思っているので、その勉強という意味で皆さんにお付き合いいただいているという部分もあります」

パーソナルジムではスペースの都合もあり、大人数が同時に参加できず、また遠方から通うのは難しい。オンラインの場合には一度に複数人が参加でき、遠方からでも参加できるというメリットがあり、コロナウイルスが終息しても、有効に活用したいと考えているそうです。

「このコロナウイルスによっていろいろ考えさせられたと言いますか、トレーニングも新しい形になってくると思います。対面でもオンラインでも、皆さんが喜んでくれる、効果が出てくれるのが一番嬉しいので、より良い形を探しながらやっていきたいと思います」と房野さんは言います。

5月4日には厚生労働省が新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を発表しました。その中には「筋トレやヨガは自宅で動画を活用」というものもあります。また、トレーニングショップでは、パワーラックが過去にない売り上げを記録しているという話も聞きました。ジムに通うのではなく、在宅で本格的なトレーニングをしようという人が増えたということでしょう。今後は「新しい生活様式」のように、「新しいトレーニング様式」ができていくのかなと感じています。

 

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。