皆さんは一日何回鏡を見ますか?
鏡の中の自分自身に対面することは、身だしなみに不備はないか、あるいはその日の体調に問題はないか、などを確認する大切な習慣の一つです。
とはいえ、現在は新型コロナの影響によって外出時にはマスクの着用が必須となり、生き生きとした表情を見せることができずに残念と思う人がいる一方で、これ幸いとばかりに顔のケアやメイクに手を抜いてしまう人も少なくないかもしれません。
今しばらくはマスク生活が続くかと思いますが、だからと言ってこのまま手を抜いてしまっては本末転倒になりかねません。むしろ、こういうときだからこそ今まで以上にしっかりとお手入れを心がけたいものです。
体のコンディションは、顔の表情、とくに目元周辺に表われやすいことは皆さんもご存じの通りです。あるとき、ふと気づいたことがありました。女性の場合はとくに——じつは私自身がそうなのですが——体調の悪いときほど、メイクが濃くなっているようだ、ということに(笑)。
「あれ? 今日はいつもより目が小さく感じる……。なんだかやつれて見えてパッとしないな」と思い、メイクの力を借りて大きく見せようとすると、どんどん厚化粧になって、気が付いたときには取り返しのつかないことになっていた、という経験のある人もこれまた少なくないのではないでしょうか(笑)。
じつは、それ以前の私は、メイクが濃くなっていくのは年齢のせいだと言い訳していたのですが、ある機会に20歳の姪っ子と話をしたとき、原因はそればかりではないと気づかされたのです。
彼女の場合は、芸能界を志望しているのでなおさらかもしれませんが、例えば日々の顔色はもとより、眉毛のわずか1ミリの高低に至るまで、とにかく自身の顔のコンディショニングに対してストイックなほどまでにこだわりをもっています。むくみがあろうものなら、ほかの人には気づかないであろうちょっとしたことでも、たちどころに察知する。
なるほど、女性の執念たるや恐るべしと、同性でありながら感心したものでした(笑)。と同時に、年齢を言い訳にしてはいけない。すなわち、顔のコンディショニングの維持は日々の努力があってこそなのだと大いに反省したものです。
そこであらためて考えたのは、顔のコンディションを整えるためにはメイクの力を借りる以前に、そもそもとして素の自分自身の状態から見直すことが先決ではないかということでした。真の輝きは素の状態が健全であってこそだ、と。
そして閃いたのがシャンプーの仕方に工夫を加えればいいのではないかということでした。
頭部と顔面は筋膜でつながっています。第7回でもシャンプーのお話をしましたが、これは女性なら毎日欠かさず行なうもの。であれば、それを活用してみてはどうか。ただ単に指先でガシャガシャ洗うよりも、手のひらを有効に使って、マッサージをしながら取り組むと、顔のケアや疲労回復にもなりまさに一石二鳥ではないか、と。
次回は、その方法についてより具体的に解説していきたいと思います。
山本康子(やまもと・やすこ)
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。
Scandic care (スカンディックケア)
〒162-0056 東京都新宿区若松町10‐1 YSビル2 F
Tel. 03-3208-2543
Mail:info@scandiccare.jp
営業時間:平日. 11:00 ~ 21:00、土日祝. 11:00 ~ 20:00
公式HP
アー・ドライ治療院(新宿区)
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取材/光成耕司