前回は、男性に取り入れてほしいシャンプー法について紹介しました。
男性の場合、日常生活の様々な場面において心身ともにパワーの発揮を期待されることが少なくありません。そのため、知らず知らずのうちに、踏ん張ったり食いしばりをする機会が多く、‟ストレスの気”が頭のほう向かって上昇し、まるで鬼の角のように、頭の左右2ヵ所になだらかな隆起ができてしまうケースが少なくありません。そこでシャンプーの際には、その凸部分を手のひらで圧迫したり、押し下げていく方法に努めましょう、と。
では、女性の場合はどうでしょうか?
女性の体は、血液循環(いわゆる体の中の水分)やバイオリズム、さらには気圧(の変動、とくに低気圧)に対してとても影響を受けていることを日々の施術を通して実感しています。そして、その影響は体のむくみとなって表われやすいのが男性とは異なる特徴と言えるでしょう。
むくみは足元や目元に表われやすく、とくに目元付近の微妙な変化に対しては、普段から鏡を見る機会が多いだけに、コンディションチェックには欠かせない重要な判断材料となっているのではないでしょうか。
ところが、目元にばかり注目しがちなむくみですが、実はそれは頭部にまで及んでいることを忘れてはなりません。頭部は髪の毛に覆われているので、ついつい見落としがちになってしまっているだけなのです。したがって、むしろ頭部に対してアプローチすることによって目元のむくみも解消されるという、ここでは逆転の発想が求められます。
また女性は、家事、育児、お仕事など男性とは違ったストレスを抱えている方が少なくありません。女性の場合は、ストレスが生じると呼吸が浅くなり、胸部の動きを制限させてしまう傾向が強いと感じています。
胸郭にある呼吸に関わる筋‐筋膜は、首から頭に至り、さらに耳の後ろに到達します。そこで、女性のシャンプーのポイントは、耳の後ろの周辺を押し下げるように重点的にケアすることです(写真1)。
耳の後ろは、顎のラインにも影響大。顎のラインをスッキリさせることは、お顔の印象が若返るとても大切なポイントでもあります。ちなみに目の疲れも、側頭筋膜の影響を受ける耳に後ろに表われていることが多いのです。
シャンプーの際には、頭を下げ上から下に向かって圧をかけてあげるという方法もあります(写真2)。
これは重力に逆らわない方法でもあり、洗い流すとき、同時にアプローチすれば一石二鳥と言えるかもしれませんね。シャンプーの際のちょっとした工夫で、むくみをとって目元パッチリ!を目指しましょう。
山本康子(やまもと・やすこ)
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。
Scandic care (スカンディックケア)
〒162-0056 東京都新宿区若松町10‐1 YSビル2 F
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営業時間:平日. 11:00 ~ 21:00、土日祝. 11:00 ~ 20:00
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アー・ドライ治療院(新宿区)
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取材/光成耕司