今、流行りのファスティングの効果は?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第73回は、ファスティングの効果と注意点について。

■見よう見まねで取り組むのは危険

ファスティングはいわゆる断食のことですが、一般的には1~3日程度の軽めの断食によって、体質改善や内臓の回復、デトックス効果などを目指すもので、個人差はあるかもしれませんがうまく適応できれば効果が期待できると思います。とくに内臓は日々動き続けていますから、完全休養というイメージで丸一日休ませると体調もよくなると思います。

ただし、イメージや素人判断での取り組みはおすすめできません。私たちは栄養素を摂って、それを代謝して、日々ATP(アデノシン三リン酸=エネルギー)をつくり出していくのですから、極端に栄養素が足りない状態は当然、体にとっては好ましくない状態と言えます。また、好転反応で頭痛や発熱などが起きることもありますが、それが好転反応なのか逆に拒絶反応なのかは素人ではなかなか判断が難しく、ひとつ間違えれば体調が一気に悪化してしまうリスクもあります。

ファスティングは入っていくまでの準備期間を設けますが、終わった後の通常に戻す移行期間も必要です。とくに体調不良などの失敗は後の移行期間に起きることが多いので、終わったという達成感や安ど感から、慌てて通常に戻していかないようにしなくてはなりません。このあたりも専門性が高い取り組みとなりますので、きちんとした専門家の指導のもと取り組むべきでしょう。雑誌やネットなどで、他人の経験談を参考に見よう見まねでの取り組みは避けるべきだと思います。

内臓を休めたりデトックス効果が期待できたりと、それなりのメリットはありますが、こと筋肉に関してはマイナスの要素が大きくなります。当然、ハードなトレーニングや運動はできませんし、筋肉が必要とするタンパク質や糖質もほとんど入って来ませんから、カタボリック(筋肉の分解)になる要因は満載となります。

また、目先のダイエット目的などで安易に取り組んだ結果、逆に筋肉が減って代謝も落ちて太りやすい体質にならないように気をつける必要もあります。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。