ジムの愉快な仲間たち2021【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第159回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 間もなく4月、すっかり春本番です。Tシャツシーズンがすぐそこまで迫っているので、体を引き締めていきましょう。

 

さて、最近のジム通いでは2つの店舗を利用しています。第155回コラムでも書いたように、いつも利用している店舗がリノベーション工事のため、2月中は別店舗を利用していました。普段と違う店舗に行ってみると、環境の変化による刺激が楽しく、工事終了後も週に一度は別店舗を利用しています。そのため現在は2つの店舗を併用中というわけです。

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同じ時間帯に何度か通っていると、その時間帯の常連が見えてきます。これまでにも何度かジムの愉快な仲間たち(話したことはない)を紹介してきましたが、この店舗でも充実のラインナップが見えてきたので、今回はメンバー紹介をしてみたいと思います(誰とも話したことはない)。

 

私は勝手にその人の特徴から呼び名をつけているので、その名前で紹介します(本名は知らない)。まずは“マッスルティーチャー”。彼はその名の通り筋肉ムキムキでゴリゴリの本格派トレーニーです。トレーニング開始直後はトレーナーを着ているのですが、エンジンがかかってくると、脱いでタンクトップ姿になります。そして自分のトレーニングをしているだけならまだしも、やたらと人に教えたがるからティーチャー。新顔が来たなと思うと、トレーニングのアドバイスをしたがるのが厄介です。

 

私もこの店舗では新参者。マッスルティーチャーと3~4回目の顔合わせとなったとき、ついにターゲットにされてしまいました。そのときは、ライイングトライセップスエクステンションをやってて、視線を感じるその先に彼がいました。うっかり目を合わせてしまったら最後、アドバイスを受けることに。本格派に教えてもらえるのはありがたいのですが、出勤前で時間の制約もあるのでトレーニングは自分のペースでやりたいのですよ。

 

そんなマッスルティーチャーを寄せつけないオーラを放っているのが“尻神様”。細身の女性トレーニーの尻神様は、とにかくお尻のトレーニングだけをやっています。ヒップスラスト、ブルガリアンスクワット、ゴムバンドを使ったトレーニングなど、とにかく尻、尻、尻。だから尻神様。かなりストイックに追い込んでいるので、マッスルティーチャーも近寄れません。私もティーチャーに捕まらないように彼女の“近づくなオーラ”を見習いたいと思います。

 

3人目の常連は“アンダーアーマーの回し者”。彼はその名の通り、全身アンダーアーマーです。ウェアもシューズもちょっとカッコイイ。うっかり、「ウェアかっこいいですね」なんて声をかけようものなら、モノを売りつけられるんじゃないかというくらい、全身でアンダーアーマーを宣伝しています。ただ、トレーニング自体はがっちりやっている印象はなく、形から入るタイプなのでしょうか?

 

そして最後は“ヨボヨボじいさん”。こちらもその名の通り、ヨボヨボなおじいさんと言いたいところですが、そこまでヨボヨボではありません。ただ、フリーウエイトエリアにいるには違和感があるおじいさんなので、呼び名として“ヨボヨボじいさん”と呼んでいます(本人には言ってません)。彼は髪の毛はほとんどないのですが、現役時代の松岡修造みたいなヘアバンドをして、いつも2キロくらいのダンベルでトレーニングをしています。その姿が微笑ましく、自分も年をとってもトレーニングを続けていきたいなと思わせてくれます。

 

というわけで、ジムで人間観察するのはなかなか面白いものです。新年度からジムに行ってみたいけど、どうしようかな?と悩んでいる方、いろんな動物を観にいくと思えば楽しくジム通いができると思います。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。