プロテインダイエットは本当に正しいやり方か?【管理栄養士・牧春菜のプロテイン相談室vol.3】




近年、「プロテインダイエット」という言葉をよく聞くようになった。そもそもプロテインダイエットとは、食事の一部をプロテインに置き換えることで、食事量・摂取カロリー低減を狙ったダイエットのことを言うだろう。この方法は本当に正しいのか? 詳しく知るべく、管理栄養士、アスリートフードマイスター、腸内フローラ検査アドバイザーとして活躍する牧春菜さんにお話を伺った。

――「プロテインダイエット」という言葉を最近聞くことも多いですが、そもそも、食事をプロテインに置き換えることで、健康に支障は出ませんか?

牧 摂取の仕方にもよりますが、プロテインはあくまで栄養の補助として考えるようにすべきものです。というのも、プロテインの中には、かなり低カロリーなものがあります。「カロリーオフ」と聞くとダイエットには良さそうな気もしますが、私たちの身体には基礎代謝というものがあり、摂らなくてはいけない必要なカロリーがあります。

カロリーが不足すると低栄養の状態を招く恐れもあるので、その点を理解したうえで、ある程度カロリーが含まれたものを選ぶのが良いかと思いますし、プロテインだけで必要な栄養素がすべて摂取できるわけではないということも知ってもらえればと思います。

――ただカロリーを抑えれば良い、というわけではないんですね。

牧 そうなんです。カロリーや糖質というのは人間の身体にとってガソリンみたいなものであって、燃料切れになると筋肉が分解されてしまいます。それだと、健康的には痩せられませんよね。そのため、食事の置き換えをするときには、必ずカロリーバランスも考えてみてほしいですし、食事を全てプロテインに置き換えるのは避けてください。

固形物を摂らずに液体のプロテインばかりを摂っていると、胃があまり動かなくなってしまいます。それによって消化機能が落ちて、筋肉量も落ちてしまう。内臓の筋肉まで落ちてしまうこともあります。ですので、食事を摂りつつ、栄養補助としてプロテインを活用してほしいですね。

――摂取タイミングとしてはいつ飲めば良いのでしょうか?

牧 まずおすすめしたいのが、起床時です。朝に空腹状態だと筋肉量が落ちてしまうので、忙しい朝こそ活用していただきたいです。あとは、ちょっとした間食を見直すのにも良いかと思います。例えば、小腹が空いたからといってお菓子や炭酸ジュースでしのぐよりも、栄養のあるプロテインを飲んだほうが、腹持ちも良くて健康的です。

プロテインはトレーニング後に飲む物というイメージを持つ方は多いかと思いますが、それにこだわらず、気軽な気持ちで取り入れてみるといいのかなと思います。

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プロテインダイエットと聞くと、「飲めば痩せる?」と感じるかもしれない。しかし、プロテインはあくまで食事の補助で、置き換えの際には食事との栄養バランスを考える必要がある。食習慣を今一度見直し、足りない栄養素をプロテインで補う。そういった努力があれば、理想のダイエット結果に近づけるのではないだろうか。

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◆次回(最終回)は、健康の基盤となる「腸内環境」について詳しくお聞きしました。

取材・文/森本雄大


牧春菜(まき はるな)
管理栄養士、アスリートフードマイスター、腸内フローラ検査アドバイザープロ。管理栄養士チーム「eat Link」の代表として、ジュニアからシニアまで幅広い層の栄養サポートをしている。腸内環境が身体作りを左右していることを実感し、一人一人の体質に合わせた食事提案を行っている。