スタメン落ち経験者が考える、向いている競技の見つけ方【by編集部員・森本】




VITUP! 読者の皆さん、こんにちは。

気まぐれに登場します、編集部員の森本です。

 

4月から新年度が始まり、新しく部活に入ったという学生さんも多いのではないでしょうか。しかし、初めて数ヶ月経つと「思っていたのと違う?」と思うこともあるかもしれません。

 

自分に向いている競技を見つけるのって、意外と難しいですよね。

 

自身の話になってしまいますが、私は中高6年間バスケットボール部に所属していました。中学ではスタメンをとっていましたが、志高く進んだ県上位を狙う高校では通用せず、ベンチを温めるという結果に終わります。

 

今でこそネタのように話していますが、当時は悔しくて仕方がなく、早朝から誰より練習に励み懸命に努力していました。しかし、努力でどうにもならない壁を感じたことも事実です。

同じ時間をかけるのであれば、向いていることをやったほうが良いはず。今回は苦い経験をした私が、自分なりの適性競技の見つけ方をお伝えできればと思います。

 

 

オープンスキルとクローズスキル

 

適性競技を選ぶためにまず必要なことは、競技の特徴を掴むことだと思っています。

ここでいきなりですが皆さんは、「オープンスキル」「クローズスキル」という言葉を聞いたことがありますか?

 

オープンスキルとは、外的要因によってパフォーマンスが左右される技能のこと。バスケの連携プレーや野球、サッカーなどが該当します。

クローズスキルとはその逆。外的要因によってパフォーマンスが左右されない、自分のペースで行なえる技能です。陸上競技や水泳、ボーリングなどが代表的です。

 

一つの競技の中にもオープン・クローズは混在していて、バスケならフォーメーションはオープンスキルでも、ディフェンスのいないフリースローはクローズスキルです。

 

バスケの試合では、選手の配置や試合の流れなどを考え、臨機応変にプレーすることが求められる(C)makieni-stock.adobe.com

 

ボーリングでは、高い集中力とピンを倒す技術が求められる(C)Kzenon-stock.adobe.com

 

競技適性を考える上で、この2つの要素が非常に重要になってくると思います。特にクローズスキルが得意な人は、オープンスキルの競技だと思うように力を発揮できません。この2種類では、求められるものが全く違うからです。

 

しかし何より大切なのは、一口に「自分はクローズだ、オープンだ」と決めるのではなく、「オープン・クローズをどの程度のレベルで出来るのか」と「性格特性」を見極めることなのではないでしょうか。

 

 

自分はどこまでならできる?

 

オープンスキル・クローズスキルの中でも、ある程度レベルの段階があります。

 

例えばオープンスキルであれば、多くの選手がコートに存在し、プレーのスピード感も早いバスケは難易度がかなり高いでしょう。逆に柔道やバドミントンなど、オープンスキルの中でも1対1で取り組める競技もあります。変数が少なくなる分、臨機応変さという面での難易度は下がるかと思います。

 

クローズスキルでも、水泳のように真横に相手がいるのか。ボーリングのように、一人ずつ競技を終えていくのか。このプレッシャーの度合いも、一つの変数になり得るでしょう。

 

ここで考えるべきなのは、先述したように「どのレベルまでならできるのか」「性格特性」ではないかと個人的には思っています。

 

自身の例でいうと、私はどちらかというとクローズスキル派の選手でした。広い視野や臨機応変は本来得意ではありません。シュートや個人技はある程度の自信がありましたが、臨機応変なフォーメーションや合わせのプレー、試合展開を読んだ判断はスタメン選手に劣っていました。監督からすれば、ゲームのレベルが高くなるほど安心して出せない選手だったと思います。

 

3対3のバスケなどでは比較的通用していたので、複雑さを落とすことで適性にマッチする部分もあったのかもしれません。

 

サッカーをやっていた友達で、「チームだと周りにどう思われているか気になって、プレーに集中できない」と悩む選手もいました。性格特性から見て、チーム競技か個人競技かというのも一つ大切です。ちなみにその友達は、少林寺拳法に転向して強豪で副主将を務めるまでになりました。真面目な性格と身体能力の高さを生かした良い選択だったのだと思います。

 

仲間と取り組むことが好きな人が、適性をメインに個人競技に転向しても物足りなさを感じるでしょうし、その逆も然りです。

 

他にも、自分を磨くことが好きか、数字での記録にこだわりたいのか、息が上がるのが好きか嫌いか、準備を念入りにするタイプか……など、競技に繋がる性格というのはたくさん考えられます。

 

実際に競技風景を見てみて、自分はこの競技でどこまでならできそうか考えてみるというのも大事ですね。

結局のところ、スポーツは楽しむことが大切だと思うので、得意かどうか、性格に合うかということも終着駅の「楽しむ」ということに繋がってくるのだと思います。そう思うと、少し選びやすくなるのかもしれません。

 

ちなみに私がもし、学生に戻ってバスケ以外の競技をやるなら、おそらく陸上を選ぶでしょう。更に細かく言えば、足が特別速くなく、長距離も苦手なので幅跳びをやると思います。

コツコツ取り組むのが性格に合っていますし、脚力には比較的自信がありました。あとは相手や仲間がいた方が頑張れるので、クローズスキル寄りでなおかつ競える競技が良いなと思います。

 

現役時代の時間は宝物。あの熱量を体感できる時間はこの先そうありません。今日ご紹介したのはあくまで個人的観測ですが、競技選びに少しでも役に立てば何よりです。

皆さんもぜひ向いている競技を見つけて、かけがえのないスポーツライフを楽しんでくださいね。

森本 雄大(もりもと ゆうだい)
千葉県出身(25歳)。中学・高校でバスケットボール部に所属し、高校では奮闘の末ベンチを温める。大学で心理学を学んだ後、電気設備系の商社へ就職。3年間の勤務を経てライトハウスへ入社した。現在、一人前のライターを目指して勉強中。