栄養的な観点からのアボカドのよさは?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第122回は、栄養満点と言われる食材・アボカドについて。

■ビタミンをはじめ栄養価が高いが、食べ過ぎには注意

アボカドはまさに、栄養の宝庫とも言える果物です。何となく野菜と思われがちですが、木になる立派な果物です。

「森のバター」などとも称され、不飽和脂肪酸が豊富なことがあのコクのあるおいしさにつながっています。不飽和脂肪酸の中でも一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が豊富なので、悪玉コレステロールを下げ、逆に善玉コレステロールを上げたりと、じつに健康に役立つ脂質です。

他にもビタミンE、カリウム、食物繊維あたりはとくに多く含まれています。ビタミンEによる抗酸化、カリウムによるむくみ解消、食物繊維による便秘改善といった具合に、女性の美容にももってこいです。またビタミンB1、B2、B6も含まれていますが、これは他の果物や野菜と比較してもトップクラスの含有量です。このように、とりわけビタミンに関してはオールマイティに含まれている果物です。

あえて注意点を挙げるならば、カロリーが高いことから食べ過ぎによるカロリー過多といったところでしょう。脂質が豊富なため非常に食べやすい食材ですが、味的にも醤油、わさび、レモン汁などいろいろな調味料や味つけとマッチしやすく、食欲を増進させてくれる食材です。栄養価が高く、微量栄養素が豊富に含まれ、おいしくて、食べやすく、食欲も湧くとなれば、あとは食べ過ぎに気をつけるくらいしか思い浮かばないでしょう。逆にその点において、減量中は少し気をつけなくてはいけないかもしれませんね。

組み合わせて相性のいい食材は、言い換えればアボカドのどの栄養素を意識するかによるかと思います。個人的にはビタミンEに着目しているので、抗酸化の機能を上げるためにビタミンCが豊富な食材がおすすめだと思います。脂溶性のビタミンEと水溶性のビタミンCでは、抗酸化の機能を発揮する場所が違いますし相乗効果が期待できます。ビタミンCとなると、キウイ、レモン、パプリカ、ブロッコリーあたりでしょうか。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。