オリンピック注意報!【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第175回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 東京2020オリンピックでは、開幕直後から日本勢のメダルラッシュが続き、連日うれしいニュースが飛び込んできています。

 

今大会を迎えるにあたってさまざまな苦労があったであろう選手たちが、よいパフォーマンスを発揮することができたとしたら、それは本当に喜ばしいことです。逆に1年の延期による影響から、不本意な結果になってしまった選手もいるかもしれません。ただ、どんな結果であれ、目標に向かって全力を尽くした人は素晴らしいという事実は変わらないので、最大限の敬意を表したいと思います。

 

さて、オリンピックをはじめ、スポーツのビッグイベントがあると、ジムではちょっとした変化が起こります。これは5年前のリオデジャネイロオリンピックのときも、その前のロンドンオリンピックのときそうでした。毎年正月の箱根駅伝明けにも同じ現象が起こります。

 

その現象とは、「張り切りすぎる人 発生問題」です。オリンピックに影響を受けた人が必要以上にジムで張り切って、ちょっとした迷惑行為をしてしまうという問題です。毎回のことなので予想していたとはいえ、今回もそういう人を目撃しました。

 

スポーツイベントに影響を受けてしまう人の特徴は、自分がアスリートになりきって周りが見えなくなってしまうこと。たとえばトレーニング中に大きな声を出すのも、その一つ。バーベルやダンベル、あるいはマシンでトレーニングをしながら、自分を追い込んで“グァー!”“うおりゃぁー!”みたいな声を出します。そこまで声を出さなくても上がる重量だったとしても、オリンピアンになりきっているため、大きな声が出るのでしょう。

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また、器具の扱いが雑というパターンもあります。フリーウエイトにしても、マシンにしても、何かと闘っているかのようにガチャガチャと大きな音を立てて扱い、バーベルを手放すときは床に激しく投げるような感じで落とす。雑に扱えばマシンが故障する恐れもあり、バーベルを床に激しく落とせば、転がって他の人のもとにいってしまう危険性もあります。ビックリするような声を出すこともそうですし、普通にトレーニングをしている人には迷惑なのです。

 

箱根駅伝の後にありがちなのは、ランニングマシンでスピードをかなり上げて数秒だけ猛ダッシュする人や、傾斜をかなり急角度にして苦痛の声をあげながら山登り気分を味わう人。これもほぼ毎年のように1人、2人は見かけます。気分はラストスパート、あるいは山の神なのでしょう。

 

こうした張り切りすぎるタイプの人は、毎日同じ時間帯にいるルーティンでトレーニングをしているタイプの人ではなく、思い立ってトレーニングに来たみたいなタイプの人が多いと思われます。アスリートの活躍に影響を受けてトレーニングをがんばるのはいいことです。しかし、普段やっていないことを急にやるとケガをするリスクがありますし、器具を雑に扱えば壊してしまう危険もあります。また、大きな声を出す行為はそもそもジムではNGです。

 

今回のオリンピックでは、本当に日本選手の活躍が素晴らしいので、「自分もがんばろう!」と影響を受けている人も多いはず。これを機にトレーニングを始める方は、がんばる方向を間違えずにがんばってほしいと思います。

 

以上、オリンピック注意報でした。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。