懸垂をやろう【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第176回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? あっという間に東京2020オリンピックも最終日です。政治家は相変わらず残念な人ばかりですが、選手の皆さんの活躍は本当に素晴らしいものでした。

 

前回のコラムでは「オリンピック注意報!」として、オリンピックに感化されて周囲を気にせずトレーニングをする人への注意を促しました。しかしながら私もオリンピックに感化されていて、精力的にやっているメニューがあります。それは懸垂です。

 

体操の個人総合と種目別鉄棒で橋本大輝選手が金メダルを獲得しました。その鉄棒の演技は素晴らしく、「鉄棒をやりたいな」と思ってしまったわけです。さすがに同じことはできないので、せめて懸垂をやろうということで積極的に取り入れることにしました。

私が学生の頃は、学校のスポーツテストの種目の一つに懸垂がありました。しかし、強度が高く1回もできない人が多かったことから、1999年よりスポーツテストから除外されています。懸垂はそれだけきつい種目であり、自重トレーニングの中ではもっとも負荷が強い種目と言っていいでしょう。

 

懸垂はきついですが、きついからこそ効果も大きく、複数の筋肉を同時に鍛えることができる優秀なトレーニングです。ターゲットとなるのは広背筋、上腕二頭筋、三角筋など背中から腕にかけての幅広い筋肉たち。握力や腹筋の力も使います。いろいろな筋肉に刺激が入るのが嬉しいところです。

 

アンダーグリップとオーバーグリップを日によって使い分けています。オーバーグリップのときは手幅を広くして広背筋を中心に背中をメインに鍛えます。一方、アンダーグリップのときは手幅を肩幅程度にして、上腕二頭筋に効かせることを意識します。

 

回数的には10回を目標に3セット。レスリングの選手だった学生時代は体が軽く筋力もあったので、ひょいひょいできましたが、今は10回が精一杯。きついのでその分だけやった後の充実感があるのも懸垂のいいところです。

 

個人的にもう一つ懸垂のいいところは手に豆ができること。手に豆ができるのは悪いことでは?と思うかもしれませんが、私は手に豆ができていないとトレーニング不足を感じてしまうので、豆があったほうがいいのです。懸垂はバーを握るため手に豆ができやすいのも自分としては魅力です。

 

前述したように現在はスポーツテストから懸垂は除外されています。そのため、懸垂を一度もやったことがないという人もいるくらいです。懸垂はいろいろな面で優秀なトレーニングなので、ぜひとも皆さんも定期的にやっていきましょう。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。