ニンニク注射って効くの?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第141回は、疲労回復に効果があると言われるニンニク注射について。

■疲労回復にはバランスのよい食事や睡眠も不可欠

じつは私もニンニク注射を不定期に打っています。疲れた時もですが、これから忙しくなるぞという手前や、セミナーやイベントが続いた直後に行きつけのクリニックでお願いしています。時間がない時はそのままダイレクトに注射でお願いをして、少し時間に余裕がある時は点滴で15分くらいかけてゆっくりと入れてもらいます。

ニンニク注射と呼ばれるのは、ビタミンB1が体内に入った際にニンニクのようなニオイがすることが由来とされていて、正確にはビタミン注射なわけですが、たしかに打った直後からニンニク臭を感じます(ビタミン点滴と表記されているケースが多いかもしれません)。

血管にうまく針が刺さらないと皮下に入っていってしまい、効果がないばかりか痛みを伴いますのでもう一度やり直しとなるのですが、痛みを感じる手前でニンニク臭がするか否かで針が正しく刺さっているかがわかります。

クリニックによって何種類か準備されているかと思いますが、ビタミンB1にCを加えたシンプルなものから、B1+B2+Cのタイプや、B1+B2+B6+B12+Cのようなフルコースまであります。ちなみに私はフルコースのさらに濃縮版をお願いしているので、打った直後から自宅に帰るくらいまでの間はずっとニンニク臭を味わっております(笑)。

さて効果のほどですが、所詮ビタミンでありますが、されどビタミンといったところでしょうか。やはりある程度の高濃度のビタミンB群を確実に入れることで、疲労感が軽減される実感があります。もっとも、ビタミンさえ打てば疲労がなくなるわけではなく、そのおおもとでのバランスのよい食事や、何よりもしっかりとした睡眠という、頭とお尻をしっかりと整えなくては効果も半減以下となってしまいます。

ニンニク注射に頼るというよりは、かなり裏付けのしっかりとしたおまじない的な位置付けで、疲労の手前あたりで活用するのが効果的なのではないかと思います。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。