【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第30回】赤コスチュームにする2つの理由




今回は読者の方からの質問にお答えしたいと思います。その質問はこちら。

 

Q.試合のときに赤コスチュームを着るにはどんな理由があるのでしょうか?

 

ご質問の通り、MMAに転向してからはずっと赤いコスチュームです。何度かデザインは変えていますが、赤ベースというのは変わっていません。

赤いコスチュームの話をする前に、前回に続いて柔道の話をさせてください。柔道の道着は赤ではなく、白か青です。カラー道着は国際大会用なので、全日本選手権や講道館では白の道着しか着用しません。どちらが好きかと言われたら、自分はやっぱり白が好きでした。

 

東海大学に入学する際、白い道着と青い道着を両方購入しました。大学の練習では、今日は右組の選手が青、今日は左組の選手が白というように、曜日によって白を着るか、青を着るかが決まっていたので、両方必要だったのです。

 

日本の選手は伝統的に白い道着を好む傾向がある思います。ただ、練習で使う分には青のほうがいいなと思っています。白と比べて汚れは目立たないし、ちょっと臭いも軽減されるような気がします(笑)。最近は練習に柔道を取り入れているので、青の道着を一着買おうかなと考えています。

 

 

話を戻しましょう。なぜ赤なのかというと、赤は自分の中ではラッキーカラーで、昔から赤いものを身につける習慣がありました。柔道時代も名前の刺繡の色を赤にしたり、髪の毛を結ぶゴムを赤にしたり、試合に行くときは赤いTシャツを着たり、ゲン担ぎで赤いものを身につけるようにしていました。何かきっかけがあったかと言われると思い出せないのですが、赤は燃える色で勝利につながる色のようなイメージがあって、エネルギーを感じるので好きです。

 

MMAデビューすることが決まって、コスチュームをつくるときも、赤以外の選択肢はありませんでした。色は赤ベース。それプラス、自分は猫が好きなので、猫をデザインに入れてほしいということをデザイナーさんにリクエストして、細かい配色やデザインは基本的にお任せでした。どのコスチュームにもどこかに猫が隠れているので、探してみてください。

 

コスチュームだけでなく、試合のときは髪の毛も赤に染めます。今は試合が海外なので10日くらい前に美容室に行って色を入れてもらいます。10日前だとどうしても試合までの時間が空くため、色落ちしてします。なのでカラートリートメントを持っていって、計量の前日に自分で色を入れるようにしています。自分でやると言ってもとくに難しいことはなくて、カラートリートメントを塗って、シャワーキャップを被って時間が経つのを待っていればいい感じになります。

 

赤い髪は基本的に試合のとき限定です。一度、赤を入れると色が抜けにくくて大変なんです。先日、美容室に行ったときに金髪、もしくはシルバー系にしたいと思ったのですが、赤を抜くために何回もブリーチしてすごく時間がかかりました。赤へのこだわりは結構苦労もあるんです。

 

赤にこだわる理由はゲン担ぎの他にももう一つあります。それは見てくれる人たちに印象を植えつけるということです。コスチュームも髪も赤にしていると、初めて見た人でも「あの赤い人」というように印象が残ると思います。何度か見てくれている人の場合も同じです。いつも赤のコスチュームを着ていれば、「あの赤い人はこの前も出ていたな」と覚えてくれると思います。試合ごとにいろいろなカラーのコスチュームを着るのもオシャレでいいと思いますが、自分はそれよりもイメージを浸透させたいと思っています。“渡辺華奈=赤”で覚えてもらえると嬉しいです。

 

ちなみに「赤はラッキーカラー」と書きましたが、実は占いはあまり気にしないタイプです。正確に言うと、気にしないのではなくて、良い話しか信じないタイプです。「今日はラッキーな一日」と言われたら信じるけど、「運気が悪い」と言われたらそんなものが当たるわけないと信じません。自分に都合良く解釈するのが一番です。

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW