【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第31回】2021年を表す漢字は「〇」です。




2021年も残すところ、今日と明日の2日となりました。1年はあっという間ですね。年内最後の連載ということで、今回は2021年の自分を表す漢字一文字を紹介したいと思います。自分の2021年の漢字はこれです。

 

「耐」

 

今年は6月の試合で負けて、その試合でケガをしてしまって、それから長い間試合や練習ができなかったり、いろいろと見直したり、現実を見つめる時期があって、すごく耐える1年、力を溜める1年だったなと思っています。「溜」という漢字とどちらにしようかと迷ったのですが、自分と向き合って、今は練習や取り組みも少し変えて、耐え忍ぶ時期という思いがあるので、「耐」という漢字にさせてもらいました。

昨年からコロナの影響でなかなか試合ができなくて、耐える時間というのは続いていました。今年は試合に負けてしまって、どうしても批判の声があったり、そういう周囲の反応に対してもグッと耐えたり、期待してくださった方たちの期待を裏切ってしまったこともありますし、今は忍耐が試されるときなのかなと思っています。

 

柔道時代には何度も負けていますが、MMAに転向してから試合で負けるのは初めての経験でした。もちろん負けたことは悔しいですけど、無敗にこだわっていたわけではないので、初めて負けたことに対しては特別なこととは感じていません。

 

ただ、アマチュア時代とは一敗の重さは違うと思っています。柔道時代はエントリーすれば試合に出られるし、毎年同じ時期に必ず試合があります。でも、MMAでは一度負けてしまうと、タイトルマッチから遠ざかったり、プロモーターに使ってもらえなくなったりということもあります。そもそも試合への臨み方も違います。柔道では多いときには一日で6~7試合やることもあります。一人ひとりの相手への対策や準備を万全にできるわけではないですし、一つの試合に向けての調整は今とはまったく別モノです。

 

試合は別モノといっても、試合にかける気持ちはどちらも同じです。また、応援してくださる方たちの声はエネルギーになりますし、練習仲間や支えてくれた方たちに恩返しをしたいという気持ちはいつも持っています。今は耐える時期ですが、またいい試合をしてみんなに喜んでもらいたいです。

 

「耐」という今年の漢字について書いてきましたが、写真を見て皆さん気づいていますよね。髪の色がご機嫌な色になりました(笑)。この色にしてから目立つので街を歩いているとたくさんの人に見られます。こんな色で周りの人にジロジロ見られても耐えるという自分への戒めで、この色にしました……というのはウソです(笑)。

 

自分はファッションやオシャレには疎いので、いつも美容師さんにお任せなんです。今回は美容室に行った日に、ちょうど届いたばかりのカラー剤があるということで、「使ってみますか?」と言われて、お任せしたらご機嫌カラーになったという話です。

 

というわけで、今年も1年たくさんの応援をいただき、ありがとうございました。耐える1年から成長した姿を見せたいと思っているので、2022年もよろしくお願いします。

 

 

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW