ダイエットを始める直前におすすめの食事を教えて【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第178回は、ダイエットを始める前の下地づくりのための食事法を紹介。

■規則正しい食生活で代謝を高める

ダイエットにはいくつかのやり方があります。有酸素運動を主体にするのかウエイトトレーニングで代謝を上げていくのかなど、トレーニング面においても工夫の仕方はまちまちです。

栄養面からのアプローチを大きく分ければ、脂質を制限するか糖質を制限するかになりますが、いずれの方法をとるにしても一度基本に返っておくのが理想です。基本というのは、三大栄養素のバランスと充足度、加えてビタミン・ミネラルといった微量栄養素のバランスと充足度、睡眠の充実などです。これは最もATP(アデノシン三リン酸)をつくりやすい状態です。どのようなアプローチをするにしても、ダイエットを始めれば必ず代謝は落ちる方向にいってしまいます。これはATPをつくる効率が落ちていく方向でもあります。だからこそ逆にその手前では最大限ATPがつくられやすい状態をつくって、いわば助走をしっかりとつけてやるのです。

好きなモノだけを食べているバランスが崩れた状態から、ダイエットを志してこれまた別の意味でバランスを崩した食生活に突入するのは、代謝が低い状態からあらためて低い代謝の状態へと突入することでもありますので、よりダイエットがきつく感じてしまいます。そうならないためには、その手前でなるべくしっかりとした助走期間を設けてやることです。

一般的な人を想定し、かつ非常に大雑把に言えば、朝はプラスタンパク質、昼はマイナス脂質、夜はマイナス糖質といった意識を持つと全体のバランスが整いやすくなります。外食の場合は単品よりは定食、洋よりは和、仮に単品の場合は具の多いモノ、あるいはサイドメニュを一品加えるなどの工夫をしてみてください。2週間から1ヵ月くらい規則正しい食生活を送ることで代謝の助走期間ができてきますので、そこから本格的なダイエットへ突入です。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。