ビール酵母のメリットは?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第185回は、胃腸を元気な状態に保つことに役立つと言われるビール酵母の栄養について。

■シンプルに栄養価が高い

酵母は糖をアルコールと炭酸に分解する微生物のことで、自然界に広く存在し、また多くの発酵食品にはこの酵母が利用されています。

日本は味噌、醤油、日本酒など発酵文化が進んでいる国ですが、その中でビールを作る際に使われる酵母がビール酵母ということになります。ビール酵母には多くのビタミンB群、ミネラル、アミノ酸、食物繊維が含まれていて、シンプルに栄養価が高い素材と言えますから、栄養補給による体調維持や疲労回復効果がひとつの大きなメリットとなります。

また主にビール酵母には胃や腸を元気にするといった効果が期待されているので、単に栄養価の高い素材というにとどまらず、指定医薬部外品として売られていることが多いのです。要は手軽な胃薬や整腸剤といったところでしょう。指定医薬部外品というところからも安全性は高く副作用の心配はまずありませんが、逆に飲んですぐに胃がスッとするなどの効果は期待しにくいでしょう。慢性的な胃もたれや膨満感、軟便などの症状には向いています。

余談になりますが、プロレスラーやお相撲さんのようにどんどん食べて体を大きくしなくてはならない職業の場合、胃腸のキャパの限界が体を大きくしていく限界みたいなところがあって、道場にはビール酵母が配合された医薬部外品がよく置いてありました。本来の使い方とは少し違いますが、無理矢理でも消化を進めてよりカロリー摂取を増やしていこうということです。一応は医薬品扱いとなるので分類的にはサプリメントではありませんが、ほぼサプリメントと同じ感覚でいいので体調維持や健康増進といった、緩やかな効果を期待して日々使用するのはアリだと思います。ただしビール酵母にはプリン体が含まれていますので、痛風が心配な人は避けておいたほうが無難と言えるかもしれません。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。