この連載を読んでくれている方は、自分が毎日トレーニングをしていることはご存じだと思います。実は自分のトレーニングだけでなく、毎週月曜日の20時からグループトレーニングで一般の方の指導もしています。今回はこのグループトレーニングの話を書いていきたいと思います。
自分は声が低くて滑舌も良くないので、ゴニョゴニョ喋ってしまうことが多くて、あまり喋るのは得意ではありませんでした。グループトレーニングでは、参加者の方たち向けて喋るため、最初の頃はすごく緊張していました。実際、始めたばかりの頃は簡潔にまとめて喋ることができませんでしたが、人間は続けていると慣れてくるものです。今はやってほしい内容をわかりやすく、ハッキリ伝えることができるようになりました。グループトレーニングのおかげで喋ることも苦手ではなくなり、今では週に一度、皆さんと会えるのが楽しみで、「今日は何をしようかな」みたいな感じでニヤニヤしてしまいます(笑)。
グループトレーニングで楽しくワイワイ……という部分もありますが、自分のトレーニングは結構きついと思います。アスリートがやってもきついようなメニューも入れていることから、「鬼教官」と呼ばれています(笑)。まったくの運動初心者の方ではなかなか大変なので、参加者はFIGHTER’S FLOWの会員さんが対象になっています。
では、簡単にどんな内容なのかを紹介しましょう。まずはストレッチをやって、その後は自重系やチューブを使った軽い筋トレ。それからラダーをやったり、ドリル系の動きをやったりと、部活のような感じかもしれません。遊びを取り入れたメニューでは、ケンケンで鬼ごっこをしたり、片足立ちで手押し相撲をしたりということもやっています。
いろいろ体を動かした後に最後はがっちりトレーニングです。サーキットトレーニングで息を上げて、腹筋やスクワットなどの筋トレも組み合わせて追い込みます。こうして1時間くらいが、あっという間に過ぎていきます。
お客様に指導させていただいていると、自分の学びになることもたくさんあります。日頃、自分が何気なくやっていることでも、こういう体の使い方は難しいということがわかったり、この部位は硬くなりがちなんだということがわかったり、いろいろな気づきがあります。
また、お客様から刺激をもらうことも多々あります。定期的に参加してくれている方が、最初はできなかったことができるようになったり、フォームがキレイになったり、そういう姿を見ていると、すごく嬉しい気持ちになります。「鬼教官」が組んだきついメニューを全力でやってくださって、伝えたことに100パーセントで取り組んでくれるので、元気をもらえますし、自分も頑張ろうというモチベーションになります。
自分は中学、高校、大学、実業団でもずっと副キャプテンで、長を務めた経験はありません。このグループトレーニングでは自分がグループ長なので、参加してくれる皆さんがもっといいトレーニングをできるように、いろいろなやり方を考えて、もっと厳しいトレーニングにしていこうかなと思っています。「鬼教官」の厳しいトレーニングをしたい!という方はぜひFIGHTER’S FLOWへ!
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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW