サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。今回は、プロテインを選ぶ時のポイントについて。
※本記事は、2020年に年に公開した記事を再編集して紹介するものとなります
■食事代わりのプロテインもある
プロテインはタンパク質そのものですから、足りないタンパク質の補充、もしくは追加でタンパク質だけを取り入れたい時に活用すると効果的なサプリメントです。
その種類は大きく分けると、乳由来の「ホエイ」と植物由来の「ソイ」(大豆)が主流となっています。
また、ホエイプロテインは純度の違いによって、WPIとWPCの2タイプに分類されています。通常値段が高めのホエイプロテインは純度の高いWPI(90%前後)で、比較的リーズナブルな価格のプロテインや大袋でお徳用といったプロテインは、純度がやや低めのWPC(80%以下)でしょう。
最近は味の種類も豊富になってきて、まるでアイスクリームのフレーバーを選ぶような感覚かもしれません。
ホエイとソイの違いについてはあらためて詳しく解説しますが、基本的には一回にどれだけタンパク質を摂りたいかを前提に決めればいいと思います。WPIのように純度が高ければ摂取するプロテインの量は少なくて済みますし、WPCの場合は少し多めに摂取しなくてはなりません。ただし、WPCは価格的にお得感がありますし、味もバラエティに富んでいます。
アミノ酸の組成的には動物性タンパクであるホエイのほうが優位ですが、植物性タンパクを望む場合はソイを選べばいいと思います。よくダイエット用としてソイを配合しているケースもありますが、必ずしもダイエットでなくてはいけないというわけではありません。
繰り返しになりますが、プロテインはタンパク質そのものですから、栄養の顔は持っていても機能の顔は持っていません。たまに、プロテインに機能的な素材を配合して、機能プロテイン的に訴求しているものも見かけますが、どうしても値段が高めになってしまうのと、やはりプロテインに求められている役割は栄養だと思います。
もうひとつ、プロテインのジャンルに存在しているのが、MD(マルトデキストリン)などの糖質を配合しているものです。これはゴールデンタイムに摂取したり、体重を増やしたい人がウエイトアップ用に摂取したりするケースが多いのですが、食事の代わりに使いやすいため、ミールリプレイスメント(代替食)として活用することも可能です。さらには食事の置き換えとして使った場合は、ウエイトアップの逆でダイエット用になっていきます。
このように細かく枝葉は分かれていきますが、目的別に大雑把に分類すると、タンパク質を摂取するためのプロテインと、糖質が配合されていて食事に近い栄養バランスのプロテインに大別できます。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。