栄養的な観点から蕎麦のよさを教えて【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第196回は、味だけではなく健康にもいいと言われる蕎麦の魅力について。

■インスリンが出にくいため、急激な血糖値の上昇が防げる

蕎麦は白米に比べると低糖質で低カロリーであると言えます。低糖質が必ずしもいいとは言えませんが、ダイエットをしている人にとってはメリットとなります。またそれ以上にダイエット的に魅力なのは、低GIであることです。つまり、インスリンが出にくいために急激な血糖値の上昇が防げます。たとえば減量中に昼ご飯を立ち食い蕎麦で済ます場合には、山菜蕎麦などを選んでおくと間違いありません(別途プロテインを飲むこととして)。

このようにダイエット的にもメリットがありますが、血糖値の安定は気持ちの安定や疲労感の軽減といったメリットも期待できますので、日常的に糖質を低GIに切り替えて抗疲労といった取り組みにも役立ちます。その他に栄養価的にはビタミンのB1、B2やマグネシウム、カリウムなど微量栄養素が含まれているため、栄養価の高いカーボといった見方もできます。さらに蕎麦にはルチンが多く含まれます。ルチンはポリフェノールの一種ですが、毛細血管を強くしたりビタミンCの吸収を促進したり、強い抗酸化の力もあります。このように栄養面から見ても、蕎麦は健康面へのメリットが多い食材と言えます。

加えて蕎麦の最大のよさと言えば、やはりおいしさではないでしょうか。私は子どもの頃はあまり蕎麦のおいしさが理解できず、むしろうどんのほうがおいしいと思っていましたが、歳を重ねるにつれ蕎麦のおいしさに魅了されていき、今ではおいしい蕎麦を求めて地方の山奥にも出かけたりすることがあるくらいです。食レポが上手ではないので表現が稚拙になってしまいますが、蕎麦独特の風味や食感こそが蕎麦の最大の魅力なのだと思っています。

ちなみに最初はそのまま少し食べて、次は塩やワサビを少しだけつけて食べて、最後に汁に入れて食べてと、おいしさを順に堪能できます。残念なことに蕎麦アレルギーの方にとっては、強いアレルギー反応を起こす食材でもありますから、逆に徹底的に排除しなくてはなりません。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。