サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第198回は、小麦などに含まれるグルテンを摂取しないグルテンフリーについて。
■慣れてしまえばさほどストレスを感じなくなる
最初はテニスプレーヤーのジョコビッチ選手がやっているとかでブームになったような記憶がありますが、その後は結構定着している感じですね。結論としてはやってみる価値はあると思います。
じつは私も今、1ヵ月程度の期間限定でグルテンフリーを試しているところです。スタートしてから1週間ほどが経ちますが、体調的にはいい感じです。グルテンフリーはもともとはセリアック病の患者さん向けのものでしたが、グルテンという主として小麦に含まれるタンパク質が体内でアレルギー反応を起こすような場合には、グルテンを摂らないことで体調がよくなるといったものです。
最大の欠点は、食事にかなりの制約が入るという点です。どこまで厳密にやるかにもよりますが、パスタ、うどん、蕎麦(十割蕎麦以外)、ピザ、ラーメン、パンなど食べられないものばかりになってしまいます。唐揚げでも唐揚げ粉に小麦が使われていればダメですし、多くのスナック菓子も食べられなくなってしまいます。したがって、ちょっとお試し気分でやるにはハードルが高いかもしれません。だから期間を決めて、あらかじめ食べられるものリストをしっかりと準備しておかなくては、挫折してしまうかもしれません。
でも逆に慣れてしまえば、さほどストレスを感じないようになります。何と言ってもお米はグルテンフリーの代表ですし、たとえばラーメンがNGであっても、焼き鳥や焼肉は基本的にOKだったりしますから外食もさほど困りません。またパンでも米粉を使ったパンなどもありますし、関西では馴染みのあるケンミンの焼きビーフンもグルテンフリーです。最近、オートミールの人気が急騰していますが、グルテンフリーというのも理由のひとつかもしれません。あと、以前紹介したこともあります「ソルガムきび」というスーパーグレインがありますが、これもグルテンフリーです。
このようにグルテンフリーの食材を探すことを楽しみながらやっていけば、知識も増えますし、何よりも実際にやってみての体感が最大の財産になるかと思います。仮に効果を感じなければやめればいいだけのことですし、なんらマイナスはありませんので。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。