デッドリフトトレーニング解説編【三土手大介が伝授する4スタンス理論×トレーニングvol.8】




近年は多くの識者がさまざまなメディアでトレーニング情報を発信し、「いったいどれを参考にすればいいんだ、何が正解なんだ」とトレーニーたちが頭を悩ませがちである。そのような中、個々の身体特性を引き出す「4スタンス理論」をベースに指導にあたっているのが、元パワーリフティング世界チャンピオン・三土手大介さんだ。今回は実践編の第3弾、BIG3のひとつでもあるデッドリフトについて4スタンス理論の視点から解説してもらった。

デッドリフトは難しくない

デッドリフトは腰に悪いという印象を持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、正しいやり方を覚えれば、シンプルな動きでできるトレーニングなので、そこまで難しい種目ではありません。ここでも、スクワットと同様に正しい立ち方とフォームが重要になってきます。

「どこからがフォームのスタートなのかを認識することが大切。トップオンドームの姿勢で正しく立って、立ち位置を決めて、バーベルを握りにいくために体を動かした瞬間からがフォームだという認識を持つと、安定しやすいです。握りにいく時に、頭が極端に前に振られるようにしてしまうと、その時点で体の感覚が崩れてしまうので、できるだけ頭がブレないように。(モデルの中野のような)Aタイプの人は股関節を柔らかく使って、腕を脱力させて、自分の指先がシャフトにつくくらいまで意識を持って握りにいきましょう」

握りが決まったら、今度は持ち上げていきます。

「首筋が上に引き上げられるような感覚で持ち上げていきます。どこの筋肉で引くとかではなく、首筋が上にスーッと上がっていく感じでまっすぐに。上げたらしっかりと地面を足で踏むと体が安定します。デッドリフトは後ろに引きつけようとする人が多いですが、まっすぐでいいんです」

ポイントを意識することで、無理な負担を体にかけることなくバーベルを持ち上げることができました。「A1タイプの人は、胸のあたりが柔らかくたわみ、肩も少し前に出てくる状態でいいんです。よく言われるように、極端に胸を張る必要はありません」と三土手さん。インタビューでも話していたように、4スタンス理論を知り、自分のタイプの特徴を知ることで、「自分はこれでいいんだ」ということがわかります。

★次回は最終回。ベンチプレスについて解説してもらいます

文・撮影/木村雄大

三土手大介(みどて・だいすけ)
1972年8月26日生まれ、神奈川県横浜市出身。ウエイトトレーニングジムNo Limits代表。レッシュマスター級トレーナー。一般社団法人レッシュプロジェクト理事。
高校3年生のときにパワーリフティング競技をはじめ、20歳のときに全日本選手権110キロ級で史上最年少優勝。次々に日本記録を塗り替え、世界大会にも積極的に参戦。2000年の世界選手では、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトでトータル1トンを記録し、ベンチプレスは当時の世界記録を塗り替えた。現在はトレーニングジムNo Limitsの代表として、トレーニングの指導にあたっている。自己ベストは、スクワット435キロ、ベンチプレス360キロ、デッドリフト320キロ、トータル1060キロ。4スタンスタイプはA2。
―――――
【WEIGHT TRAINING GYM No Limits】★HP⇒http://nolimits-gym.com/
〒183-0021
東京都府中市片町2-9-5 ベル片町1F
(JR南武線、京王線分倍河原駅より徒歩4分)