「完璧にイメージできていますね。すべてにおいて、見えるんですよ。今は本当に緊張もないし、ワクワクしかなくて。ここ1~2週間ずっと研ぎ澄まされていて、これで負けたらしょうがないよねっていう感じです。何パターンも技も用意していますし、当日に思うこともあるので。それは当日になってみないとわからないですけど、那須川天心として最後の試合をやりきりたいと思います」
——それだけ研ぎ澄まされたことは、これまでにありましたか。
「あまりなかったですね。久々なんですよ、ワクワクするというのが。ずっと迎え撃つ立場で試合をしていましたし、ずっと追われる立場だったので。勝ってもうれしくないみたいなことばかりでした、最近はずっと。このワクワクする感じは自分の中でも久々だし、俺の中での人生の決着と言うか、そういうものが芽生えている最後の瞬間なのかなと思いました」
——武尊選手と顔を合わせてみて、あらためてどのような感情を持たれましたか。
「やってやるよという感じですね。感謝の気持ちもありますし、闘うという殺気も出していかないといけないですし。あとはキックボクシングに対する感謝です」
——6月19日は父の日でもあるが、小さい頃からマンツーマンで指導されてきた父親にどのような勝ち方をプレゼントしたいですか。
「本当に運命だと思います。この試合をやると決めたのは、腑に落ちたのはその日だったからと言うか、やらなきゃいけない運命なんだと思いました。最後に一緒にやってきて絶対に負けないという感じになってきていますし、最後に勝って親孝行してやろうかなと思いますね」
——チームRISEで合宿されましたが、どのような効果があったと総括されますか。
「他のRISEの選手は今後も闘うかもしれないというのもあって参加しづらいというのがあったり、個人個人でいろいろな思いがあると思うんですけど、その中でも最後に集まってみんなでやるという機会はなかなかないですし、やってよかったと思いました。逆に僕は二度と闘うことのない選手たちですから、自分が持っているものを吸収もそうですけど、聞かれたことは惜しみなく答えたりとか年上年下、関係なくアドバイスさせてもらいました。あと練習の姿勢とかも俺はこういうスタイルでやってきているというものを見てもらおうという気持ちで臨んでいました」
——ご自身の中で得たものもありますか。
「チャンピオンがこんなに集まることってないですし、どういう選手が来ても対応できるという練習をしていたので、それが練習の中でも活きたと言うか、何が来ても大丈夫だというのをそこで確信できました。そこから、さらに1ヵ月追い込んだという感じですね」
——RIZINを背負うという気持ちもありますか。
「もちろんあります。自分が出てきた団体と言うか、テレビに出してもらったり、いろいろな挑戦をさせてもらったのもRIZINですので。RISEが主戦場ですけど、RIZINは僕のポテンシャルを2倍、3倍、4倍に引き上げてくれました。そういった中で地上波ができなくなったのは残念ではありますけど、そこは切り換えていくしかないですし時代がPPVだという人もたくさんいると思うんですけど、俺はそんなことないと思っています。自分はテレビでK-1を見てキックボクシングを始めようと思ったし、そういったものは絶対に必要だと思いました」