筋肉コスプレの原点はSASUKE。「人生を捧げるくらい熱中していました」【コスプレリフター・あお#1】




研ぎ澄まされた肉体美とハイクオリティなコスプレで、見る人を魅了しているあおさん。加えてパワーリフティングの大会でも活躍しており、2020年のジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会・男子74㎏級で準優勝の実績を残した本格派トレーニーだ。今回は全3回のインタビューで、そんなあおさんの歩みに迫っていく。第1回では、あおさんの筋トレのルーツを聞いた。

マッチョかつ運動神経抜群。そういう人たちがたまらなく鮮烈だった

――あおさんのコスプレを拝見すると、鍛え上げられた筋肉が際立っています。筋トレとコスプレは、どちらを先に行なっていたのでしょうか。

「もともと、筋トレ自体は小学生の頃からやっていました。筋トレをしていて、そこからコスプレもするようになった形ですね」

筋肉隆々なコスプレが魅力的なあおさん

――きっかけは何でしたか。

「当時、『筋肉番付』というテレビ番組があったのですが、その影響で筋トレをするようになりました。3分間に何回腕立て伏せができるかなど、番組を真似ながら遊び感覚でやっていたんです。あとは中学の時に『SASUKE』というテレビ番組が流行って、実際に出たいなという思いが湧いてきたんです。なので、SASUKEのために筋トレをやっているところが大きかったです。懸垂なども取り入れて、実戦で使える筋肉をつけていきました」

――筋肉番付やSASUKEに魅力を感じたのは、とくにどういった点だったのでしょうか。

「やっぱりマッチョで、なおかつ運動神経もいい方々が活躍していて、その姿が鮮烈だったんです。あとは古舘伊知郎さんの実況が好きでしたね(笑)。『ご覧ください! このギリシャ彫刻を思わせるような肉体!』みたいなワードが飛び交っていて、自分もそういう実況を受けてみたいなと思いました。当時から、ボディビルダーの体を見てかっこいいと思うこともあったので、根本的に筋肉へのあこがれが強かったのかもしれません」

――ではどちらかと言うと、ゴリゴリのマッチョ体型にあこがれていたのでしょうか。

「はい。世間的には細マッチョの方が人気だと思うのですが、僕は当時から海外のボディビルダーなど、ゴリマッチョの方を見てかっこいいなと思っていました。ゴリゴリかつ動けるというのが、僕の中の理想でしたね」

――当時、そういった番組がやっていたのは大きかったですね。

「すごく影響を受けました。筋肉番付やSASUKEがやっていなかったら、筋トレをすることもなかったと思うくらいです。出会えてよかったと思います」

――ちなみに、中学の頃はどういったトレーニングをしていましたか。

「その頃はそこまで知識がなかったので、『とにかく回数をやればいいや』という感覚でした。腹筋と腕立てを100回ずつやるなど、限界まで追いこんでいたと思います。最初は種目も偏っていましたが、ホームセンターでダンベルを買って、徐々に全身を鍛えるようにしていきました。腕、肩、背中、脚としっかり分割して鍛えていましたが、当時はまだまだ細マッチョという感じでしたね。当時の写真を見ると、今より20キロくらい少なかったのでガリガリに見えますね」

小さいころからの積み重ねが、バキバキボディにつながっている

――トレーニング方法はどうやって学んだのですか。

「基本的に読書とネット検索です。東京大学の石井直方先生の本をよく読んだりしていました。ひとりで家にこもって鍛えていたので、誰かに教わるということはありませんでした」

――筋トレの継続が難しいという方も多いと思いますが、続けるのは苦になりませんでしたか。

「僕はむしろ、筋トレをすること自体が楽しみという感じですね。平日も仕事後のトレーニングが楽しみで、仕事のモチベーションも上がっています。筋トレのために仕事を犠牲にするとかそういうことではないですが、限られた時間で筋トレすることにより、他の活動にもいい影響が出ていると思います」

――当時は何か、スポーツをやっていましたか。

「中学の時は、週に3回しか活動しない科学部に入っていました。それ以外はSASUKEのためにトレーニングしていた形ですね。中学で筋トレの他に走ったりもしていたので、高校では陸上部に入りました。その間も活動と並行して、筋トレを継続していきました」

――SASUKEには実際に出場されたのですか。

「SASUKEには中学3年生の時に1回だけ、本戦に出ることができました。月並みな感想ですが、テレビで見るのと実際にやるのでは大違いでしたね。丸太の障害なども警戒していましたが、意外とすんなりクリアできてしまい、逆に棒高跳びの要領で向こう岸に渡るポールメイズという障害で落ちました。実際にやってみないとわからないものですね」

――ちなみに当時から、SASUKEを意識したトレーニングを行なっていたのですか。

「はい。SASUKEのために、家の物置の中に自分でセットをつくったりもしていました(笑)。壁に設けられた3センチの突起に掴まって進む『クリフハンガー』という障害があるのですが、それも物置の柱につくったりして鍛えていました」

――それから、高校でもSASUKEを?

「はい。高校でもやっていました。ただ高校では陸上部に所属していたので、中学ほどは力を入れていなかったかもしれません。挑戦した中でSASUKEの本戦に出場できたのは、結局中学生時代の1回だけでした。振り返ると、すごくいい思い出になりました」

――高校卒業後は、どのような進路に進みましたか?

「都内の大学に進学しました。そこで非公認の筋トレサークルに入ったのですが、そこでの出会いが僕の人生を変えたんです」

◆第2回は、大学進学からコスプレとの出会いについて

取材・文/森本雄大
写真提供/あお


あお
本格的なコスプレで人気を集めるコスプレイヤー。鍛え抜いた肉体で披露するコスプレには定評があり、筋肉レイヤーチーム「肉体造形部」に所属している。パワーリフティングの選手としても活躍し、2019年、2021年の神奈川県大会で優勝。2020年にはジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会・男子74キロ級で準優勝に輝いた実績を持つ。
◆Twitterアカウントはこちら(あおさん肉体造形部