※本記事は2017年に投稿された記事を再編集してお届けするものとなります。
短距離系に効果的ですが、長距離にも役立つ
スプリント(短距離)系と長距離系で使う筋肉が異なりますが、筋トレの効果が出やすいのはスプリント系でしょう。陸上競技でも短距離の選手のほうが筋肉がついていますよね。
スプリントは、まずスタートで地面を蹴って体を前に押し出す力が大切ですから、レッグプレスやスクワットなどが効果的です。そして、スピードに乗ってきたら今度は股関節から下の脚をいかに速く振るか(回転させるか)が重要になってきます。具体的に言うと、股関節まわりの大腰筋や大殿筋です。こうした筋肉を鍛えるには、レッグレイズやヒップスラストが有効ですね。
長距離系では、ふくらはぎの筋肉が推進力となりますので、その部分を鍛えるカーフレイズが効果的です。もう少し実際の動きに近づけたい人は、プライオメトリックスのアンクルジャンプなどもいいでしょう。ヒザ関節をあまり使わず、足関節だけでジャンプを繰り返すメニューです。
体幹を鍛えることは、長距離・短距離を問わず大切です。特に長距離になると、後半疲れてきた時に体がわずかにブレてしまったり、前傾になってしまうランナーをよく見かけます。フロントブリッジやサイドブリッジなど、体幹を真っ直ぐに保つ感覚を養う動作トレーニングをしておくと効果的です。
また、見過ごされがちですが意外と効果的なのが足の裏の筋肉を鍛えること。足裏は推進力を生み出したり、着地の衝撃を吸収したり、地味に活躍しているんです。靴を履いていると鍛えにくい場所なので、裸足になれる室内がトレーニングのチャンス。足裏のトレーニングというと、馴染みがない人がほとんどだと思いますが、できるだけ足の指を広げて床を踏みしめる。足指でしっかり地面を蹴るようにして歩くだけでも効果があります。
岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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