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パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.9 三宅修司(D’ACTION)前編【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第222回】

VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回登場するのはパーソナルトレーナージム「D’ACTION」の代表を務める三宅修司トレーナー。もともとは陸上選手として活躍した三宅さんが、パーソナルトレーナーへの道に進んだ理由、そして目指しているものとは? その人物像に迫っていきます。

三宅修司トレーナーは、学生時代は400mハードルの選手として活躍したアスリート。両親が共に陸上選手で、自身も子どもの頃からかけっこには自信があり、その道に進むのは必然でした。陸上競技を始めた小学生時代にテレビで見たシドニーオリンピックでは、転倒して失格になってしまった為末大選手の姿が強く印象に残り、「いつか自分もこの舞台に立ってみたい」と思いながら、中学、高校時代を過ごしていきました。

 

「日本一を目指したいと思って、中学、高校とやっていくなかで、合理的に考えたら『日本一を目指すのは大学までだ』というふうに思っていくようになりました。大学卒業後は実業団に行きたい思いもありましたが、高校、大学で日本一になれなかったら、社会に出ても活躍できないだろうし、オリンピックは無理だと考えました。そして大学在学中に全日本で3番までに入ったら実業団に行こう、ダメだったら陸上はやめようと決めたんです」

 

自分なりのゴールを設定しながら競技に取り組んできた三宅さんは、自身の進退をかけて臨んだ全日本選手権(400mハードル)では5位に入賞。立派な成績ではあるものの、自分で決めた3位以内の目標には届かず。「人生の中で一番悔しく、一番泣いた」というくらい全力で臨んだ末の結果を受け止め、選手としての自分に見切りをつけます。そして大手企業に就職し、営業マンとして働く道へと進みました。

 

「社会人として3年間働かせてもらって、営業でも比較的良い成績を収めることができました。ただ、スポーツをやっていた自分と社会においての自分のギャップに段々と耐えられなくなってきて、『これでいいのかな?』って思うようになったんです」

 

三宅さんは大学在学中から、スポーツを通じて自分が経験してきたことを社会に還元したいという思いを持っていました。その思いは持ったまま大手企業で働いていましたが、自分の思い描いていた理想通りにはいきません。そして大手企業での安定よりも、自分のやりたいことをやりたい、培ってきたもので社会貢献したいという思いから、退職を決意します。

 

退職後、三宅さんは知人を介して元々の憧れである為末大さんと知り合い、為末さんが代表を務める株式会社侍に入社。民間の陸上クラブチームの立ち上げに尽力したり、トレーニングの基本を学び、パーソナルトレーナーとして多くのセッションをこなしたりと、多忙な日々を過ごしました。

 

「科学的なアプローチもそうなのですが、為末さんから大きく教わったのは感覚的なところ。アスリート的なマインドから、どういうふうに体に落とし込むかみたいな考えはずば抜けていた印象があります。自分も似たような感覚を持っていたので、体の感覚を言語化して伝えていきながらトレーニングをすることを学び、今もそれを使わせてもらっています」

約2年半、為末さんのもとで学んだのち、2017年に自らが代表を務めるパーソナルジム「D’ACTION」を設立。当初から大事にしているコンセプトは、「運動定着」。「働く人々の運動を定着させるということを大事にしています」と三宅さんは語ります。

 

「運動定着」のコンセプトのもと、重要視しているのが、お客様がパーソナルトレーニングを卒業できることだと言います。

 

「ビジネスチックになれば、お客様にはずっと通い続けてほしいです。でも、運動定着という部分でいうなら、卒業しても一人でジムに行ってトレーニングをするようになってもらうことが大事だと思っています。ここに通っていたお客様から『こういうことができるようになりました』というメッセージが届いたりすると、すごくうれしいんです。パーソナルを卒業しても、トレーニングを続けてくれて、フィードバックがある。それがトレーナーとして一番うれしいこともしれませんね」

 

ジムの設立から今年で丸5年。着実に成果を出してきたからこそ、次のステップも考えています。ゴールとなる「運動定着」をフェーズによって選べるように切り分けていくという考えです。

 

「働く人たちに運動定着させていくというのが一つのゴールなのですが、もう少し運動定着できる事業を切り分けようと考えて、その事業をつくっている段階です。今はD’ACTIONが1~10まで担っていますが、また新しい1~10をつくろうというところです。お客様のライフスタイルの中でフェーズによって、それぞれ選べるものを提供していきたいなと考えています」

 

三宅さんが現在の道を目指したのは、社会貢献と、陸上競技の社会的価値を高めていきたいという思いから。お客様のことを大切にしつつ、自身と同じアスリート出身者、アスリートのセカンドキャリアの支援も念頭に入れています。

 

「陸上競技出身のアスリートを採用しやすいということもありますし、セカンドキャリア、事業支援ということも考えています。僕らは一般社団法人の陸上クラブチームを持っていますし、そこで子どもたちの支援をしながら、講師はここで働けるというようなサイクルをつくっていきたい。文化をつくる、陸上競技の社会での価値を高める、そういう理念を大事にやっていきたいと思っています」

 

多くの方が運動定着できる社会つくりとアスリートのセカンドキャリアの支援。三宅さんは陸上競技で培ってきたことを生かして、今も社会貢献のレースを走り続けていきます。

 

 

というわけで、次回は実際にトレーニングの様子をお届けします。

 

【トレーナーPROFILE】
三宅修司(みやけ・しゅうじ)
1989年生まれ。鹿児島出身。学生時代は陸上選手として活躍。中央大学時代には日本インカレ400mハードル6位入賞。大阪世界陸上代表選考会にも出場した。大学卒業後、為末大が代表を務める株式会社侍にてトレーニングの基本を一から学びながら、パーソナルジムにおいても数多くのセッションをこなす。2017年に自らが代表を務めるD’ACTIONを設立した。「D」には、「Dash」「Delight」「Data」の意味が含まれている。

 

【店舗情報】
D’ACTION
〔住所〕東京都渋谷区神宮前5-3-16 カサデルレイF号室
〔料金〕※税込
お試し体験トレーニング 6,000円
オンライントレーニング 5,500円
スタンダードコース 49,800円
プレミアムコース 64,800円

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。