舌骨上筋群(ぜっこつじょうきんぐん)




バズーカ岡田監修『筋肉事典』

顎二腹筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、茎突舌骨筋の総称で、口腔底を形づくる他、下顎を下方、または嚥下の際に喉頭を引き上げる作用を持つ。

名前の通り舌骨の上に位置する筋肉の総称で、胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋は舌骨下筋群と呼ばれる。

高齢者によく見られる摂食・嚥下障害の一因となる場合もあり、筋力の低下で収縮力が落ちると、主な死因のひとつである誤嚥性肺炎につながることが示唆されている。

■舌骨上筋群

【顎二腹筋(がくにふくきん)】
<起始>前腹:下顎骨の二頭筋窩、後腹:側頭骨(乳突切痕)
<停止>舌骨体
<支配神経>前腹:下顎神経。後腹:顔面神経
<主な作用>開口(下顎骨を舌骨に引き寄せる)、舌骨の挙上(嚥下時)

【顎舌骨筋(がくぜっこつきん)】
<起始>下顎骨
<停止>舌骨
<支配神経>顎舌骨筋神経
<主な作用>舌骨の挙上(下顎骨の固定時)、下顎骨の引き下げ(舌骨の固定時)

【オトガイ舌骨筋(おとがいぜっこつきん)】
<起始>下顎骨
<停止>舌骨
<支配神経>舌下神経
<主な作用>舌骨の挙上(下顎骨の固定時)、下顎骨の引き下げ(舌骨の固定時)

【茎突舌骨筋(けいとつぜっこつきん)】
<起始>側頭骨(茎状突起)
<停止>舌骨
<支配神経>顔面神経
<主な作用>舌骨を後方に挙上

■舌骨下筋群(ぜっこつかきんぐん)

【胸骨舌骨筋(きょうこつぜっこつきん)】
<起始>胸骨柄、胸鎖関節、第1肋軟骨
<停止>舌骨
<支配神経>頸神経ワナ
<主な作用>舌骨を下方に引き下げる

【胸骨甲状筋(きょうこつこうじょうきん)】
<起始>胸骨柄、第1・2肋軟骨
<停止>甲状軟骨、甲状舌骨筋
<支配神経>頸神経ワナ
<主な作用>舌骨を下方に引き下げる

【甲状舌骨筋(こうじょうぜっこつきん)】
<起始>甲状軟骨
<停止>舌骨
<支配神経>頸神経ワナ
<主な作用>舌骨の引き下げ(下顎骨の固定時)、甲状軟骨の引き下げ(舌骨の固定時)

【肩甲舌骨筋(けんこうぜっこつきん)】
<起始>肩甲骨、中間腱
<停止>舌骨、中間腱
<支配神経>頸神経ワナ
<主な作用>舌骨の引き下げ

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