9/4(日)、石川・本多の森ホールにて第33回ジャパンオープン選手権大会が開催された。この大会は日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催の大会では、日本選手権、日本クラス別選手権に次ぐ大会であり、有力選手が多数参戦した。
「プレッシャーはあったので、まずは優勝できてホっとしています。日本選手権はまだチャレンジャーという気持ちで臨めなくはないですが、それ以外の大会だとやはり感じるものは大きかったです」
そう話すのは、男子ボディビル部門を制した吉岡賢輝(26)。昨年の日本クラス別選手権では65kg以下級を制し、その後の日本選手権でも初のファイナリスト入り(12位)をはたしたボディビル界期待の若手だ。今年の日本クラス別でも70kg以下級に出場し、昨年日本4位の加藤直之にあと一歩まで迫る勢いで準優勝を獲得しており、周囲の期待も急上昇中。下馬評でも優勝の大本命だっただけに、のしかかる重圧もかなりのものだったようだ。
「昨年の日本選手権ファイナリストの方たちと比べると全体的にサイズが小さいですし、『厚み』にまだまだ課題があるので、今年は大胸筋上部や僧帽筋周りを意識して積極的に取り組んできました。周りから期待されている感覚は自分でも感じていてプレッシャーにもなりますが、素直に嬉しい気持ちもあるので、それを力にしています」
そんな吉岡は本大会ではボディビル部門のみならず、「ミックスドペアボディビル」にも姉・美里と出場して見事優勝。「プレッシャーになるから本当は出たくなかったんです」と笑いながらも、「きょうだいで出られる大会なんて他にはないですし、ジャパンオープンは日本一を決める大会の一つであるので、姉が楽しく大会を迎えられるなら一緒に出ようと決めました。そこで優勝を達成できたのは嬉しいですね」と、安堵の表情を浮かべている。
他の大会でもミックスドペアは開催されているが、まだまだエントリー数は決して多くはないこの競技。その中でも今大会は、「僕らが出場して、審査基準をつくってやりたい」と意気込みカップルで出場した中原舞春&持田教利ペアを含め、5組が出場。吉岡も「持田選手たちのはすごかったですね。きょうだいでは絶対に表現できないフリーポーズで、見ていても楽しかったですし、出て良かったと思います」と、ボディビルの新たな楽しみ方を見せられる盛り上がりとなった。
次なる吉岡の舞台は、10/9(日)に開催される日本選手権となる。昨年12位の吉岡は「目標はベスト6」と断言。期待の新星がいかに上位に割って入るか、見ものだ。
取材・文・写真/木村雄大