長身美脚のモデル体型女子。夢のかげに潜んだ、摂食障害の落とし穴【原島さみら(前編)】




2020年に、SUMMER STYLE AWARD(以下、SSA)のFINALで日本一に輝いた原島さみらさん。選手にとどまらず、現在はパーソナルトレーナーとしても活躍するなど、活動の幅を広げている。今は健康的美ボディを誇る彼女だが、以前は過食や拒食を繰り返してしまう摂食障害に悩まされていた。インタビュー前編では、摂食障害に陥るまでと、具体的な症状について聞いた。

食べたいけど、太りたくない。つらかった葛藤の日々

――原島さんはコンテスト選手だけではなく、パーソナルトレーナーとしても活躍されています。その中で、摂食障害の方への支援を行なっていると聞きました。

「はい。私自身、過去に摂食障害で悩んだ経験があったので、その経験を活かしたいと思いました。トレーナーとして体を変えることはもちろん、そういった面でもクライアントさんの力になりたいです」

――摂食障害とは、過食や拒食を繰り返してしまう病気ですよね。今の健康的な原島さんからは、想像がつかないです。

「当時は本当に苦しかったです。じつは以前、モデルを目指していたことがあって、そこで壁になったのがスタイルだったんです。体型の不安から、自分にプレッシャーをかけてしまいましたね。ただそれだけではなくて、そこに至るまでの経緯も関係していたと思います」

――差し支えなければ、詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。

「私、もともとは看護学生だったんですよ。当時は学業と並行しながら、都内の美容室で雑誌用のサロンモデルをやったりしていました。ただ、当時は引き締まっていませんでしたし、スタイルに自信がありませんでした」

体型に悩んでいた頃の原島さん

――自信のなさから、自分を追い込むようになってしまった?

「はい。決め手になったのが、看護学校で日々を送る中でInstagramアカウントの指摘を受けたことです。そこにはモデル活動の様子もアップしていたので、学校側から先々のために注意を受けました。それがきっかけとなって、活動を辞めて看護に専念するか、芸能の道で挑戦していくかの二択を迫られてしまいました」

――それは厳しい選択ですね……。

「究極の二択でした。それで、自分が本当にやりたいことを考えたら、一度きりの人生だし、モデルに挑戦したいと思ったんです。それで看護学校を辞めて、モデル一本に絞りました。当時入っていた事務所の代表さんからは、『ぜひオーディションや色々なことに挑戦して、可能性を伸ばしてみないか』と言われまして、これはやるしかないなと」

――夢へのチャレンジとはいえ、退路を断たれると不安が募りますよね。

「はい。そこに追い打ちをかけたのが、スタイルの問題でした。もともと自信はなかったですが、オーディションで並んでいても、見向きもされなかった時はこたえました。厳しい世界で結果が出ることはなく、毎日が過ぎていきました」

看護学生時代はサロンモデルを務めていた

◆夢に近づきたい。焦りが招いた負の連鎖