摂食障害を乗り越え日本一へ! 「本気で自分と向き合って、過食衝動に打ち勝ちました」【原島さみら(後編)】




2020年に、SUMMER STYLE AWARD(以下、SSA)のFINALで日本一に輝いた原島さみらさん。選手にとどまらず、現在はパーソナルトレーナーとしても活躍するなど、活動の幅を広げている。今は健康的美ボディを誇る彼女だが、以前は過食や拒食を繰り返してしまう摂食障害に悩まされていた。インタビュー後編では、苦悩の日々を乗り越えコンテストで優勝するまでの道のりや、今後目指す姿について聞いた。

辛い経験をしたからこそ、自分にしかできない指導を

――摂食障害の状態から原島さんは、2020年にSSAの日本大会で優勝するほど回復しました。どうやって症状を克服したのでしょうか。

「コンテストに出ると宣言して、自分で環境を変えたことが克服につながりました。友達に『この大会に出るんだ』と話した時はとても驚いていましたが、『選んだ道を応援する』と支えてくれました。またパーソナルトレーニングに通い始めると、当時私を支えてくれたトレーナーさん2人との出会いもありました。ふたりの存在も克服への力になっていました」

――パーソナルトレーニングがいい影響を与えたのですか。

「はい。食事指導を行なってもらったことはもちろん、減量やトレーニングをする中で、自分の体の変化に喜びを感じたんです。トレーナーさんとも『日本一を獲る』という目標を掲げました。本気で自分と向き合うことで、過食衝動に打ち勝ちました」

――精神面から改善することができたのですね。ちなみに、食事はどのように変えていきましたか。

「制限をするとしても、カテゴリーが求める体は意識しました。そこから目指す体に向けて、三大栄養素だけでなく食事全体のバランスに注意するようにしました。初めての減量で、不安な点をトレーナーさんに質問していたのですが、かなり親身になって支えてくれました。そのサポートも大きかったと思います」

健康的な体と笑顔を取り戻した原島さん

――コンテスト仕様の体をつくるために、トレーニングはどのような点を意識しましたか。

「肩、背中、お尻、脚など、いろいろな部位を鍛えていきました。私が挑戦したのは、SSAの『BEAUTY FITNESS MODEL』という部門だったので、そこで求められる体を意識して鍛えました。具体的には筋量をそこまで重視せず、健康的かつ美しいスタイルを目指しましたね。引き締まった体が審査の要点なのですが、『絞る=引き締まる』ではないというのが前提なので、痩せすぎない健康的なスタイルを目指していきました」

――そのような努力を経て、大会で初優勝した時はどんな気持ちでしたか。

「今までの人生、何かを継続して結果を出せたことがなかったので、言い表せない喜びが湧いてきました。『成し遂げた!』という気持ちと一緒に、家族や協力してくれたみなさんに感謝したいと思いました」

――トレーニングや食事指導で摂食障害を乗り越えた経験から、パーソナルトレーナーを志すようになったのでしょうか。

「はい。大会での優勝を機に、『自分の経験を伝えたい』と思ってトレーナーになりました。ただ自分が指導する立場になったことで、じつはコンテスト選手が摂食障害に悩んでいることを知ってしまったんです」

◆衝撃の真実。コンテスト選手こそ、摂食障害に陥りがち