10/2(日)、東京・福生市民会館にて、第56回全日本ボディビル選手権大会が開催された。ボディビルとフィジークの2カテゴリーの学生チャンピオンを決定する今大会において、フィジークの部では昨年覇者の川中健介(東海大学3年)が連覇を達成した。
「ほっとした気持ちがあります。学生最後と決めていたので」
大会の感想を問うと、そう答えた川中。高校3年時に全国高校生ボディビル選手権を制覇し、昨年は関東学生と全日本学生、今年は8月に行なわれたオールジャパンジュニアフィットネスチャンピオンシップス(23歳以下のフィットネス日本一決定戦)でオーバーオール優勝、そして再び関東学生と全日本学生で頂点に立ったことで、大学3年生ながらこの年代で獲れるタイトルはほぼ獲りつくしてきた。それゆえに、来年からは大人に混じり、一般部での戦いを宣言した。
「東海大学バーベルクラブの部長もしていることもあるので、今年はしっかりと学生で戦おうと顧問の有賀誠司先生とも相談して決めましたが、来年はJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のフィジーク一本でいこうかなと思っています。全体的なサイズを意識して今年は大会に臨みましたが、関東学生と全日本学生で戦った日体大の石山檀君(2位)も川島健史君(3位)もバランスが良くて、自分には持っていないものを持っていました。サイズでゴリ押しして勝った部分もあったと思うので、これからはバランスも意識しながら、弱点を改善していければと思います」
フィジーク界隈では、前日に行なわれた日本一決定戦「JBBF FITNESS GRANDCHAMPIONSHIPS」後に行なわれたIFBB世界選手権審査委員長のパウエル氏のセミナーにて、審査基準に関する内容が取り上げられ、この日もあらゆるところでその話題を耳にした。川中の今後にも少なからず影響を与えるものと思われるが、有賀氏の下で丁寧に身体を磨き、謙虚に取り組んできた彼であれば、さらなる飛躍を果たしてくれるだろう
「一般の部でも活躍できる選手になります」
そう強く宣言して、川中は次のステップへ歩みはじめた。
取材・文・写真/木村雄大