【バズーカ岡田の筋肉事典・動画編】殿筋の筋力トレーニング




殿筋群は四足歩行から二足歩行に進化する過程で、大きく発達したと考えられている筋群です。加齢とともに垂れ下がりやすい筋肉でもあるため、性別、年齢を問わず鍛えたい部位と言えるでしょう。

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【大殿筋】

単一肉では人体で最大の筋肉です。歩行や立ち上がりの際など、股関節の伸展をともなうすべての動きに関与します。鍛えることで基礎代謝が向上するため、ダイエットに取り組んでいる人は積極的にアプローチしたい筋肉です。

<大殿筋・上部>

・ブルガリアン・スクワット(ダンベル)

前方の足側の大殿筋を鍛える種目。両手にダンベルを持ち、片足を台に乗せた状態からスタートします。お尻は真下ではなく斜め後ろ方向に下ろします。膝が前に出ないように注意しながら、上体を深く倒していきます。

<大殿筋・上部>

・ブルガリアン・スクワット(自重)

ダンベルを持つ時と、基本的に動きは変わりません。台に乗せていないほうのつま先を正面に向け、お尻を斜め後ろ方向に下ろしていきます。手は胸の前で交差するか、普通に下に垂らした状態で行ないます。下ろす時に足を乗せた側に体を傾けると、大殿筋だけではなく中殿筋、小殿筋にもより強い刺激が入ります。

<大殿筋・上部>

・ヒップスラスト

台に両肩を乗せ、腰の前にバーベルをセットします。足は閉じたまま、お尻を可能な限り上まで持ちあげます。トップポジションで1~2秒静止すると、よりトレーニング効果が高まります。

<大殿筋・上部>

・リバースランジ

真っすぐに立った状態から、上体を前傾させるのと同時に片方の足を後方に大きく引きます。バランスに注意しながら、できるだけ遠くに足を引いて降ろしていくのがポイントです。

【中殿筋、小殿筋】

直立した状態で片足を真横に持ち上げた際に、お尻の横あたりで硬くなるのが中殿筋です。股関節の外転の他、片方の足を持ち上げた時の骨盤のバランスを保つ作用もあります。筋力の低下や麻痺などで、トレンデレンブルグ徴候と呼ばれる現象(患肢で片足立ちをした時に、健肢側の骨盤が下がる現象)を引き起こすこともあります。体のバランスを保つ上でも非常に重要な筋肉です。

<中殿筋・小殿筋>

・ヒップアブダクション

股関節の外転を意識し、横向きに寝た状態から床とは反対側の足を真横に振りあげます。反動を利用するのではなく、中殿筋の場所を意識しながら丁寧に足を持ち上げます。下ろす時も床につけるのではなく、浮いた状態をキープします。

<中殿筋・小殿筋>

・サイドランジ(ダンベル)

両手にダンベルを持ち直立します。そこから上体を前に傾けながら、斜め前に足を踏み出します。踏み込んだ足で地面を蹴り込み、上体を元の位置まで戻します。内転筋群に効果的に刺激を入れたい場合は、斜め前ではなく足を真横に踏み出します。

<中殿筋・小殿筋>

・サイドランジ(自重)

基本動作はダンベルバージョンのサイドランジと同じです。手を胸の前で組み、上体を前に傾けながら斜め前に足を踏み出します。踏み込んだ足で地面を蹴り込み、上体を元の位置まで戻します。

監修:岡田隆(日本体育大学教授/博士)、八角卓克(株式会社LIFE BUILDINGフィットネス総合研究所上席研究員)
実技モデル:三嶋教夫、柿夏芽、水沢充裕
撮影協力スタジオバズーカ