【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第55回】どうしたらハートが強くなりますか?




今回は読者の方からいただいた質問に答えていきたいと思います。その質問がこちら。

 

Q.私は意思が弱くてやろうと思ったことをできなかったり、すぐに諦めてしまったりします。格闘家の方は「ハートが強い」と言われますが、どうしたらハートが強くなるのでしょうか?

 

難しい質問ですね。格闘家でも試合前は怖かったり、緊張したりすることはあるし、決してハートが強い選手ばかりではないと思います。自分はどうかな……と考えてみると、そんなにメンタルは弱くないほうです。昔から「やると決めたことはやる」というタイプで、嫌でも何でもやると決めたら実行できるメンタルを持っています。こうした性格はDNAが関わってくるという話も聞くので、持って生まれた性格でメンタルが強い人とそうでない人に、分かれるのかもしれません。

では、どうしたらハートが強くなるのか? 一つの方法として、考え方を変えてみるのはどうでしょうか。意思が弱くてできないからハートを強くしたい、と考えるのではなく、意思が弱く、ハートが弱くてもできる方法を探すという考え方です。

 

変なたとえで恐縮ですが、たとえば意思が弱くて毎日コンビニで買い食いをしてしまうという人の場合は、その道を通らないようにするとか、お金の持ち合わせを少なくしておくことで、買い食いを防止するという考え方です。あるいは夜中に家にあるお菓子をついつい食べてしまうという人なら、「我慢するぞ」と頑張るのではなく、最初から家にお菓子がない状態にしておけば、食べることはできません。こうして、自分の意思とは違う部分に防波堤をつくることで、やろうと決めたことを実行するという方法です。

 

もう一つは自分がハートの弱い人間だということを認めて、ハードルを下げるという考え方もあります。たとえば、ジムで毎日トレーニングをするのは大変だとしたら、お風呂会員でもいいから通う習慣をつけるくらい、ハードルを下げてしまえばいいと思います。そうしたなかで、どうせお風呂に入るから一汗かこうかなくらいの感覚でトレーニングをすれば、気持ちもだいぶ楽になると思います。

 

トレーニングに限らず、ハードルを下げればできることは増えると思うし、そうやって、できたこと、成功体験を増やしていけば、「自分にもできる」という自信がついて、結果的にハートが強くなることにつながるのではないでしょうか。

 

まとめると、意思とは違う部分に防波堤をつくること。そしてハードルを下げること。小さなことの積み重ねで、ハートを強くすることはできると思います。

 

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW