サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。今回は、肩こりや腰痛に効くサプリメントを紹介します。
※本記事は、2020年に公開した記事を再編集して紹介するものとなります。
■関節が原因の場合は、グルコサミンが効果的
肩こりと腰痛はその原因にもよりますが、血行不良や筋肉の疲れなどが原因の場合はビタミンB1、B6、Eあたりが一般的です。加えてビタミンB12は末梢神経に直接作用するので、相性がいいビタミンです。個別に摂取というよりは、ある程度まとめてマルチタイプでの摂取がいいかと思います。
同じビタミンでも、現在はサプリメントではなく医薬品扱いのものが主流になっているかもしれません。
もし原因が関節にある場合は、軟骨の成分であるプロテオグリカンと呼ばれるスポンジの役割をする部分をつくってあげる材料がいいとされています。有名なのは何と言っても、グルコサミンです。ヒアルロン酸やコンドロイチンもプロテオグリカンの材料になりますので同様に効果がありますが、一番の大元の材料となるのがグルコサミンになります。
また最近は、グルコサミンの進化型とも言えるN-アセチルグルコサミンもあります。これはグルコサミンが体内に入ってから変化するもので、まさに一歩先に進化した形のものというイメージになります。
グルコサミンの有効性については多くの論文でも報告がありますが、有効推奨量が比較的明確になっていて、1,500㎎/日を毎日摂取し続けるのがひとつのコツと言えます。進化型のN-アセチルグルコサミンの場合は、この1/3の500㎎/日が有効推奨量となります。一瞬にして痛みが和らぐのではなく、継続することによって少しずつ修復していくような感じで取り組んでみてください。
サプリメントからは離れてしまいますが、肩こりも腰痛もストレッチは効果的です。肩の場合は首や僧帽筋のストレッチが効果的で、腰痛の場合は股関節のストレッチがいいでしょう。痛みを我慢してやるのではなく、心地いいなと感じる範囲で毎日少しずつ継続していくのが効果的です。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。