12月10日(土)、ホテルスプリングス幕張にて、第6回自衛隊プレミアムボディ2022が開催された。本大会は自衛隊員および防衛大学生のみがエントリー可能なことが特徴であり、日頃の訓練で培った質実剛健な肉体を競い合う大会として注目を集めている。
昨年はコロナの影響でリモートでの開催を余儀なくされたが、今年は念願の現地開催が実現。加えてレディースクラス(18歳以上の女性自衛隊員)と自衛隊OBクラス(定年退官後の元自衛隊員)が新設され、よりスケールアップしての開催となった。
当日の司会を務めたのは、モデル兼パーソナルトレーナーであり、近年はラウンドガールとしても注目を集めた波田妃奈さんと、パーソナルトレーナー兼コンテスト選手である新谷幸三さん。
司会の紹介のもと、オープニングでは各種メディア出演で注目を集める筋肉女子・マッスルガールズが登場。会場のボルテージを上昇させると、新設の自衛官OB部門から審査がスタートした。
OBクラスでは、3名の元隊員たちが退官後とは思えない引き締まったボディで会場を魅了。観客からの歓声とOBたちの笑顔が、自衛隊への愛の大きさを物語っていた。
続いて審査が行なわれたのは、こちらも新設のレディースクラス。力強さとキュートさが相まったステージで観衆を魅了し、日頃は責務に勤しむ女性自衛官たちの非日常的な一面が垣間見えた。
40歳~定年までの自衛隊員で争われたマスターズクラスでは、各々が鍛錬の成果を存分に発揮。貫禄あふれる圧巻のステージで会場を魅了した。なお今大会での規定ポーズはフロント、右サイド、バック、左サイド、敬礼、フロントの7種類。とくに敬礼は自衛隊プレミアムボディならではのポーズであり、選手たちがビシッと敬礼をキメる度に観客からは歓声が上がった。
そして最激戦区である総合クラスでは陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊と所属部隊ごとの審査が実施。各々が部隊の威信をかけ、磨き上げたボディを披露した。
各クラスの予選が終了した後は、決勝審査との間に元自衛官かつ1分間フライパン曲げ世界記録保持者のジャスティス岩倉さんが登場。本大会のマスターズクラス&総合クラスに出場した池田晃士隊員とのフライパン曲げ対決が行なわれた。
大盛り上がりのフライパン曲げ対決を終えると、各クラスの決勝審査へと移行。各クラスの予選を通過した精鋭たちが我こそはと肉体美をアピールした。
白熱のステージを終えた後は、各クラスによる表彰式。入賞者にメダルや盾、景品の贈呈が完了すると、クラスごとにポーズをキメて和やかな雰囲気で写真撮影が行なわれた。
大会の締めは総合クラスの陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の各優勝者がステージに登壇。部隊の垣根を越えた最強決定戦・グランプリファイナルが行なわれた。所属部隊を背負って登場した3名が渾身のポージングを披露した結果、海上自衛隊所属の立見北斗隊員が栄冠を手にした。
自衛隊員たちの磨き上げられたボディと凛々しいポージング、そしてゲストによる演出が融合して会場は大盛り上がり。1年越しの現地開催となった自衛隊プレミアムボディ2022は、会場に笑顔と熱気を残して幕を閉じた。
総合クラスでグランプリを獲得した北見隊員は、日頃は海上自衛隊の広報官として活躍中。大会後のインタビューでは「これからも自衛隊がよりよくなるように、広報や募集活動を行なっていきたいと思います。また、来年もグランドチャンピオンになれるようにトレーニングや訓練をがんばります」と思いを語ってくれた。
さらに本大会の統括プロデューサーを務めた清水謙伍氏は「直近の2年間はオンライン開催となりましたが、今大会は観客の前で披露するということで選手のモチベーションや熱気が全然違いました。隊員のみなさまも終わった後すごく楽しかったと言っていただきました。今後もオフラインで開催できるように、スタッフ一同取り組んでいきたいと思います」と大会運営へのさらなる尽力を誓った。
隊員の訓練へのモチベーションを高めるだけでなく、自衛隊と国民の距離を縮めたいという願いも込められている本大会。「自衛隊」という表に出る機会が少ない人々の肉体美を披露する機会として、フィットネス界に一石を投じる大会になるかもしれない。来年も開催が予定されていることもあり、自衛隊プレミアムボディのさらなる発展から目が離せない。
文・写真/森本雄大