12/10(土)に埼玉・サンシティ越谷にて開催された、Super Body Contest(SBC)の決勝大会となる『SBC 2022 FINAL』。ボディコンテストとして競技性も保ちながら、エンターテイメント性も高く評価されるのがSBCの特徴だ。
中でも、選手の個性がもっとも発揮されるのが、フリーポーズ(フリーパフォーマンス)の時間だろう。「出場する全選手が輝く時間を」という思いから、SBCにおいては全員が最初にステージに立つ予選審査でフリーポーズの時間を設けている。SBC部門では舞台向かって左側で5秒、センターで10秒、右側で5秒の時間を与えられており、移動時間も含めて個々が独自のパフォーマンスを披露する。
このFINALでも全員がオリジナリティ満載の見せ場をつくったわけだが、とりわけ輝いていたのがベストパフォーマンス賞を受賞した田中香織だ。彼女の魅力は、とにかく「元気」。入場時からセンター、退場時まで余計な時間はいっさいなく、持ち時間をフルに使ったパフォーマンスは力強さとしなやかさの両方を兼ね備え、50歳という年齢をまったく感じさせない華やかさを持つ。今大会には20代の選手も多数出場していたが、おそらく、もっとも元気さをステージで魅せたのは彼女だろう。
とはいえ、ただ派手なパフォーマンスをすれば良いというわけではない。5月の静岡大会TREND部門優勝、8月の「SBBF×SBC」SBC部門優勝に続き、この日もSBC部門QUEEN(女子50歳~)クラスで優勝を果たしたように、身体づくりでも言うところはなし。骨格的や筋肉の付き方的にはやや細身でTREND部門向きではあるが、静岡大会で話を聞いたときには「SBC寄りの筋肉をつける鍛え方をしてきた」と語っていたように、このFINALはSBC一本に絞ってエントリー。大会後、その理由については彼女はInstagramでこう記している。
「今年は、身体をガチで鍛えてSBC部門のみにエントリーしました。もともとは、私の身体型は細身でトレンド部門向きと、言われていました。だけど50歳を過ぎてもやればできる、体も変えられる、人生も変えられるって証明したかったかったんですね。たくましくなったでしょ?」
その言葉通り、美とたくましさの共存をFINALの舞台で見せ、「SBCに田中香織あり」を証明。共に戦った選手たちとの記念ショットの数々を見ていると、その存在感はステージのみならず、バックステージでも抜群だったのがよくわかる。来たる2023年も、その輝く笑顔をまたステージで放ってくれることを期待したい。
文・写真/木村雄大