佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.19 木内康介(パーソナルトレーニングジムBiP田町店)前編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回登場するのは「パーソナルトレーニングジムBiP」田町店の木内康介トレーナー。姿勢改善、機能改善を得意とする木内トレーナーのトレーニングに入る前に、まずはその歩みから紹介していきます。

木内康介トレーナーがパーソナルトレーナーを志したのは、30歳を目前に控えた頃のことでした。小中高とサッカーに親しみ、社会人になってからも友達とチームをつくって地域のリーグ戦に参加するほど、サッカー、体を動かすことが大好きだったものの、就職する時期には、好きなことと仕事を結びつけて考える意識はありませんでした。

 

「高校卒業後、製造メーカーに就職して工場で約8年間勤務しました。ラインに入って設計図を見ながら組み立てるという工程をメインでやっていて、どうしても同じような作業を行なうことが主でした。長く働いていると、ずっとこのままでいいのか?という不安と、もっとスキルアップしたいという気持ちが出てきて、転職を考えるようになりました」

 

転職するなら自分が好きなことにチャレンジしたい。そう考えた木内さんは、料理が趣味だったことから、飲食業界に転職。イチからその世界のことを学ぶべく、懐石料理屋で見習いからスタートしました。ところが就職したお店が、1年足らずで閉店するという憂き目に遭います。その後は地元・千葉の蕎麦を扱う飲食店に就職し、蕎麦の修行をしながら勤務していました。

 

「自分で料理をつくるのが好きだったので、工場から飲食に転職したのですが、実際に働いてみると、自分でつくる料理とお客様に提供する料理はまったく違うのです。もっとこだわりが強くないと飲食の世界ではやっていけないということを痛感しました」

 

思い描いていた世界とのギャップがあり、もう一つの好きなことに方向転換。体を動かす仕事を探していたところ、パーソナルトレーナーという仕事があることを知ります。予備知識がない未知の世界に飛び込む前に、まずは勉強するために、パーソナルトレーナー養成学校である、「2nd PASS(セカンドパス)」に入学。ここでの出会いが木内さんのパーソナルトレーナーへの道を後押しすることになります。

 

「パーソナルトレーナーを目指して専門学校に入ったのが30歳手前のときでした。ティップネスでアルバイトをしながら、週末は学校に通ってトレーナーに必要な知識をつけていきました。その中で大きかったのは、講師である宮城島大樹さんとの出会いです。宮城島さんは解剖学を得意としていて、知識量が圧倒的かつ、勉強に対する熱量がすごくて、大きく心を動かされました。何を質問してもすぐに答えてくれて、臨機応変に対応できるのがすごくて、僕もこういうトレーナーになりたいという気持ちが強くなりました」

 

学生時代以来の勉強で、最初は頭がパンクするくらい大変なときもあったというものの、宮城島さんに感銘を受けていた木内さんは、どん欲に知識を吸収していきます。学校がないときも学んだことを復習したり、理学療法士、柔道整復師といった国家資格を持った人の動画を見るなど、知識を深めていきました。

 

学校を卒業すると、パーソナルトレーナーとしての道を踏み出すことになります。いきなりフリーとして活動するのはハードルが高く、どこかに所属しながらもフリーのように活動できないか?と考えていたところ、学校の就職説明会にて、現在勤務するパーソナルトレーニングジムBiPの存在を知ります。

 

「BiPの薩田社長のお話を聞いて、自分の理想に近いなと感じました。いろいろなことをやらせてくれる自由な感覚があったのです。お客様との予約管理を自分で決められるなど、いいなと思って就職することにしました」

BiPで働き始めて4年。まだまだ「日々勉強中」と語る木内さんが、トレーナーとしてもっとも大事にしているのは「お客様に寄り添うこと」。その原点は専門学校で学んだ宮城島さんの言葉です。

 

「パーソナルに来るお客様は、筋肉をつけたい、ダイエットしたいという方もいますが、腰が痛い、ヒザが痛い、肩が痛い……と体の不調を訴えてくる方がとても多いのです。宮城島さんは、そういう方が来たときに『病院に行ってくださいというようなトレーナーではダメだ』と言いました。本当にその通りだと思いますし、お客様は一人ひとり、体の状態や年齢や骨格も違うので、決められたプログラムに当てはめてやるのは無理なのです。その人に合わせてアプローチしていくということを大事にしています」

 

木内さんが得意としているのは解剖学に基づく、姿勢改善や機能改善。体の痛みを根本的に解決することを目指しています。

 

「体の不調に悩んでいる方は、病院に行っても薬をもらうだけだったり、マッサージや整体に行っても良くなるのは一時的だったり、困っている方はたくさんいます。根本的に不調を改善していくには、弱い筋肉を鍛えていかないとバランスは整いません。少しでもそうした方の力になりたいですし、人のためになることをしたいという気持ちがあります。パーソナルトレーニングというと、時間をキッチリ決めて予定を詰めてたくさんの人を見るというトレーナーさんもいると思います。自分の場合は、一人ひとり区切るというよりも、少し時間にゆとりをもって終わった後にもお話ができる時間をつくりたい。時間にゆとりをもって、お客様に寄り添った働き方をしていきたいです」

 

姿勢は人それぞれであり、問題も人それぞれ。だからこそ、お客様を理解し、最適なアプローチをしていくというのが木内さんのパーソナルトレーニングです。8年間務めた工場では、用意された設計図に基づいてコツコツと働く日々でした。いまはお客様の不調改善のための設計図、アプローチ方法は自らが用意するもの。木内さんはお客様を健康に導くため、日々、改善への設計図を描き、それを実行し続けています。

 

 

というわけで、今回はここまで。次回は実際にトレーニングを体験します。

 

【トレーナーPROFILE】
木内康介(きうち・こうすけ)
1989年6月22日、千葉県出身。パーソナルジムBiP田町店所属。2018年〜2019年まで大手フィットネスクラブにてジムスタッフとして働きながら、パーソナルトレーナー養成学校「2ndPASS」に通い、2019年に卒業後、NESTA-PFTを取得。その後、パーソナルトレーニングジムBiPに就職し、年間1000セッション以上を担当。

 

【店舗情報】
パーソナルトレーニングジムBiP
〔田町店〕東京都港区芝浦2-14-13 加瀬ビル161-2F/〔飯田橋店〕東京都千代田区飯田橋3‐7‐3 岡田ビル4F
営業時間:9:00~22:00
料金:週2回×2カ月(全16回)154,400円(税込)
※その他、無料体験、キャンペーンなど料金の詳細はHPをチェック。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。