【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第57回】元ヤン、元ミス日体大、陰キャラ……渡辺家の人たち




早いもので今年もあと2日。2022年最後の連載となります。VITUP!編集部からのお題は、2022年の10大ニュースということで、自分なりに1年を振りかえってみます。

 

今年は復帰戦のベラトールでの試合で一本勝ち、初めての海外合宿といった個人的な大きなニュースもありますが、同じジムのFIGHTERS FLOWから泉武志選手がデビューしたことも大きな出来事です。泉選手はレスリングからMMAに転身した後、ケガをしてずっと試合をできずにいて、ようやく今年デビューすることができました。同じジムの名前で試合に出る選手、チームメイトができたというのは、自分にとって励みになることです。

 

他に何かニュースはあるかな……と考えていたら、くだらないことばかり浮かんできました。水着を着たこと(笑)、何年かぶりにショートにしたこと、スラムダンクの映画が公開されたこと。10個はなかなかないですね。そのなかで、一番大きなニュースは家がなくなったことです! 実家を解体したので家なき子になりました(笑)。

 

家を建て替えるため取り壊したのですが、久しぶりに実家の近くを通ったときに更地になっていて、本当になくなってしまったんだと実感しました。というわけで、今回は10大ニュースではなく、家を失った渡辺家の人々を紹介しましょう。

 

まず、父は元ヤンです! 昔のヤンキー雑誌に、「あの不良は今」みたいな感じで、大人になってから取材された記事が載っていました。本当にお父さんは昔はヤンキーだったんだなと。父は身長が185㎝あって、中学生くらいのときから体が大きかったみたいで、ケンカが強かったそうです。そして少しヤンチャをした時期もあったようですが、今では更生して会社を経営する社長です。最近はゴールドジムに通ってパーソナルトレーニングを受けています。

 

続いて母です。母はなんと元ミス日体大です。元ヤンと元ミス日体大が結婚して生まれたのが自分というわけです(笑)。母の父、つまり自分のおじいちゃんは、水泳の元日本チャンピオンでオリンピックにも出られるくらいの選手でした。母はその血を引いていて運動神経も良く、現在はスポーツインストラクターをしています。ちなみに自分は、体型とかも含めて父のほうに似ていると思います。

 

そして2つ年上の兄がいます。家族の中では兄が一番の変わり者かもしれません。兄は自分と違ってすごく真面目で、信号無視とかゴミのぽい捨ては、人生の中で一度もしたことがないんじゃないかというくらいの真面目人間です。歯磨きも30分くらいする人です。兄もトレーニングが大好きで、体はすごくマッチョです。

左から兄、母、父、自分。家族みんな仲良しです

 

ちょっと(?)変わった渡辺家ですが、家族はみんなすごく仲が良くて、一緒にスパルタンレースに出たこともあります。そして自分の格闘技への挑戦もすごく応援してくれています。

 

親の立場からしたら本心ではやってほしくないと思っているはずです。自分も身内が殴り合っているのは見られないし、見たくないと思います。柔道を辞めて格闘技をやると言ったとき、最初は賛成してくれませんでした。ただ、自分の決意を理解してくれて「華奈がやりたいことに挑戦するなら応援するよ」と言ってくれて、国内の試合は全部観に来てくれましたし、今年5月にはロンドンまで応援に来てくれました。

 

こうして改めて考えてみると、家族の存在の大きさを感じますし、結果で応えたいなという気持ちになります。2023年は、家族はもちろん、応援してくれるすべての方の期待に応えられるように頑張ります。

 

それでは今年の連載はこれで終了です。皆さん、良い年をお迎えください。

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW