筋肉にいい寿司の食べ方は?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。今回は、寿司を食べる時に注意すべき点について。※この記事は2020年に投稿された内容を、再編集してお届けするものとなります。

■高タンパク、低脂質を実現させやすい

高タンパク、低脂質は、意外にもお寿司では実現しやすいと思います。

私も減量中に外食で昼ごはんに困った時は、回転寿司に入って食べたりしていました。マグロ、イカ、タコ、エビといった低脂質なネタを選べばいいので、とても便利でした。

ただ気をつけなければいけないのは、シャリの部分がカロリー過多とならないようにすることです。最近はシャリ小さ目などのリクエストができるお店もあるようなので、たくさん食べる場合はカーボの量にも気をつけるといいでしょう。

筋肉にいい食べ方となりますと、やはり高タンパクなネタとなります。マグロは筆頭ですが、季節的にカツオがあればさらに高タンパクかつ低脂質なネタなので、おすすめです。

また、青魚もω(オメガ)-3系の不飽和脂肪酸が豊富なので、苦手でないならば積極的に食べておくといいですね。これはいわゆるEPAやDHAですが、意識をしていないとほとんどの人が週単位くらいで見た場合は推奨量(一日2g)に届いていないかと思います。しかし、青魚を好む人は推奨量に届くのが容易なのです。

日本ではDHAの知名度が高いように思いますが、じつは世界的にはEPAのほうが評価されています。血液サラサラといったω-3系のイメージは、EPAの効果でもあります。ω-3系の脂質はすぐに酸化するため食材の買い置きが難しかったり、亜麻仁油やエゴマ油なども開封後は速やかに消費をしていかなくてはなりません。

そこでサプリメントの価値が生まれてくるのですが、じつは中性脂肪が高い人などに処方される薬として、クリニックなどではEPAの薬を処方してくれます。それほど摂取しにくい栄養素なのですが、ありがたいことにお寿司屋さんはEPAやDHAの宝庫とも言えますから、利用しない手はありません。

体にいいということは筋肉にいいということでもありますから、摂りやすい有益な栄養素があるなら、それを優先させるという発想はアリだと思います。微量栄養素のことまでも考えていくつか厳選するとすれば、マグロ、イワシ、サバ、アジ、カツオ、イクラ、イカあたりでしょうか。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。