サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。今回は、焼肉を食べる際に気をつけるポイントについて。※この記事は2020年に投稿された内容を、再編集してお届けするものとなります。
■ロースやハラミ、レバーがおすすめ
焼肉は、高タンパクという点においては筋肉にいい要素と言えますが、気をつけるべきは脂質の摂り過ぎという点でしょう。脂と塩はおいしさの原点でもありますから、どうしてもおいしいお肉には脂質がたっぷりと含まれています。
最初のほうに食べる印象の強いタンは薄切りであることが多いので、脂質も控えめなイメージかもしれませんが、カルビと並んで脂質がタンパク質の倍以上含まれています。つまりタンパク質を100g摂ったら脂質は200g以上ということで、エネルギー比にしたら4~5倍になります。
牛であればロースかハラミあたりが無難ですし、レバーは高タンパク低脂質です。
鶏の胸肉などがあれば、一気に減量期でも食べられる食材になります。肉類以外に魚介類もあれば、利用するといいですね。当然、野菜類もしっかりと食べるべきですが、できれば肉を食べるよりも先に、少しだけでも野菜を食べておくといいと思います。
トータルのカロリーにも少し注意が必要です。基本的に脂質が多いので、簡単にカロリーオーバーとなります。アルコールが入るのであれば、なおさら注意が必要となります。
カロリー調整のためにご飯などの糖質を控えるというのは賛成ですが、逆に一切のご飯を食べないというケースも見受けられます。お肉とビールとレモン酎ハイのみのようなパターンです。これは良質な糖質が足りないという点で、修正したほうがいいでしょう。お肉を少し減らして、あるいはアルコールを控えめにして、多少なりのご飯は摂ったほうが筋肉にはメリットが大きくなります。
サムギョプサルのように、サンチュ(レタスの一種)や大葉などでお肉やキムチ、ニンニクを包んで食べると野菜が同時に食べられます。通常は豚の三枚肉を挟むことが多いかと思いますが、ハラミやロースにしておくと脂質を抑えることができます。
ホルモンの中でも、ミノやセンマイは低脂質なのであまり気にしなくてもいいと思いますが、脂質が多いものはしっかりと脂を落としてから食べるなどの工夫があるといいと思います。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。