プロテインはダイエットにも効果がありますか?【プロテイン入門⑫】




トレーニングのお供というイメージが強いプロテインですが、最近はダイエットを目的としたプロテインも販売されています。ダイエットと言えば、運動や食事制限などで行なう方も多い中、プロテインを使ったダイエットにはどのような効果があるのでしょうか。今回は、プロテインを利用したダイエットについて、桑原さんに解説してもらいました。

プロテインをダイエットと結びつけて訴求している商品や宣伝も見かけますよね。

使い方によってはダイエット効果も期待できますが、プロテインに即体重を減らすとか体脂肪率を下げるといった機能は期待しにくいところです。つまり、ホエイの〇〇という成分が脂肪を燃やすとか、ソイの〇〇によって脂肪の分解が促進するといった特別な機能はあまり期待できないのです。タンパク質は食事誘発性熱産生が高いですから、朝食時にソイプロテインを摂ることで代謝が上がってダイエットにつながるなどの間接的な効果は期待できるものの、ダイレクトに脂肪が減るということには中々ならないでしょう。

ただし、ボディビルでも減量期のほうがプロテインの消費量が増えるケースが多いように、減量やダイエットの際に利用頻度が高まるということは言えると思います。要するに、食べられる食材が限られてくるので、結果としてタンパク質の摂取量が減ってしまい、それを補うためにタンパク質だけを摂ろうとする際にはプロテインが効果的というわけです。

また、より積極的にダイエットに使おうとした場合は、プロテインを使ったミールリプレイスメントを作って食事の代替とするようなケースです。例えば、晩ごはんの代わりをサラダとプロテインのようにすると、大幅なカロリーカットが期待できます。この場合、闇雲にカロリーを抑えたり、無計画に糖質を削ったりしないような注意があわせて必要です。

逆に、プロテインは太るといったイメージを持っている人もいます。恐らく筋骨隆々な人がプロテインを飲んでいるというイメージからなのでしょう。

確かに、タンパク質も1gあたり4kcalのカロリーをもっていますから、過剰に摂取した場合には太る要因になりえます。しかし、もともと体の材料として使われる栄養素であり、脂肪のように溜まってしまうという特徴があるわけではないので、太ることを警戒して必要分のタンパク質(プロテイン)まで制限してしまうのはナンセンスと言えます。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。