女性や子どもが、成人男性と同じようにプロテインを摂っても問題ないですか?【プロテイン入門⑰】




トレーニングはもちろん、健康維持やダイエットのために摂取する方も多いプロテイン。しかし、目的や性別によって必要な量は異なります。今回は女性や子どもが成人男性と同じ量のプロテインを摂取しても良いのかについて、桑原さんに解説してもらいました。

プロテインはいわばタンパク質ですので摂取自体は問題ありませんが、体の大きさや、年齢による違いはありますので、人によっての摂取内容は変わってきます。

まず、タンパク質はそもそも体の材料として使われる栄養素ですので、体の大きさ、骨格筋量、体重などによって摂取量は変わります。さらに、運動やトレーニングによっても必要量が増えるので、運動の有無も影響します。

たとえば、トレーニングをしない人にとってはトレーニング直後のゴールデンタイムは存在しないことになりますから、当然トレーニング後のプロテインは必要なくなります。つまり、成人男性であってもトレーニングの有無によって飲み方は変わるのです。

トレーニングの内容によっても摂る意味合いは異なってきます。持久系の競技をする人にとっては、運動中にアミノ酸がエネルギーとして利用されてしまうためタンパク質の摂取量の増加に繋がりますし、パワー系の競技者の場合は筋肥大に向けてタンパク質の必要量が増加します。

一概には言い切れませんが、一般的には男性のほうが骨格筋量は多くなりますので、そこも摂取量の違いに繋がっていきます。そして、意外に思われるかもしれませんが、高齢になるほどタンパク質の必要量は増えていきますので、年齢も関係していきます。また、子供に関してはその年齢にもよりますが、内臓が成長過程にあるようなケースでは、摂取量は控えめにということになります。とはいうものの、プロテインは何か特別なモノではなくタンパク質そのものですから、極端に神経質になる必要はありません。

必要な量のタンパク質が摂れていないのであれば、それを補う形で摂取するという基本的な考え方を逸脱しなければ大丈夫です。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。