佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.24 林健太 後編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回は林健太トレーナーの後編。レスリング選手時代を思い出すようなトレーニングをしてもらいました。

私、佐久間は、プロフィールにも記載があるように、学生時代はレスリング選手で、年代別の日本代表を経験し、日本一をかけた舞台に4度立ったことがあるアスリートでした。しかしながら引退から四半世紀が過ぎた現在は、階段での躓きが心配になる普通のおじさんです。

「佐久間さんのレスリング時代の身体機能と情熱、体力を取り戻すようなトレーニングをやっていきたいと思います。25年ぶりに呼び覚ましましょう」と林トレーナー。

まずは器具も使用しながらストレッチで体をほぐしていきます。

体がほぐれたところでトレーニングに入っていきます。最初はウォーミングアップを兼ねたトレーニング。JUMP ROPE(縄跳び)を60秒→BOX STEP UP(ボックス・ステップ・アップ)を30秒→PUSH UP(腕立て伏せ)を30秒と2分間動き続け、30秒の休憩をはさんで3セット行なうとうというものです。

この時間配分は、レスリングにちなんだもの。林さんがレスリングの選手だった時代の試合時間が、2分3ピリオド制(6分)だったということに基づいています。ところが、私が現役だった時代は5分1ピリオドでインターバルはない形式でした。残念!

縄跳び1分間は意外と長い。とくにおじさんになるとジャンプする機会がないので、なおさらです。「上半身はリラックスして跳びましょう」(林さん)

続いてはボックス・ステップ・アップ。これは踏み台昇降運動のようなものでしょうか。1セット目は現役時代に負った足首のケガの影響で、踏み込む力が弱っていると指摘された左足で踏み上がって、左足で降りる、2セット目は足を変えてという形で行ないます。

膝をしっかり真っすぐ上げて、足の裏全体で踏むようにして上がります。足が外回りしないように膝を高く、真っすぐ上げることがポイントです。

最後は腕立て伏せを30秒。

足首をケガしていたとき、一日1000回くらいやっていたこともあり、今でも得意種目です。林さんからも「フォームが素晴らしいですね」と声をかけてもらいます。

1セット終わった後は30秒の休憩をはさんで計3セット。心肺機能、下半身、上半身とまんべんなく攻めているので、運動時間そのものは長くなくても、消耗は大きいです。

続いては6分間の「AMRAP」(アムラップ)というトレーニングです。これは「As Many Round as Possible」の略で、決められたメニューを6分間で可能な限り、ラウンドを重ねていくというトレーニングです。

1種目目はロウイングマシン(ROW)。

6キロカロリー消費するまで運動を続けます。呼吸を止めず、全身をうまく使って、バーはみぞおち辺りに引きます。

6キロカロリー消費したら2種目目はウォールボール。6ポンドのボールを6回、的に当てるようにします。

 

的に当ててボールをキャッチしたタイミングで、しゃがみこむという、スクワットの動作を取り入れたメニューです。

3種目目はシットアップ、腹筋です。アブマットを使うことで腹筋の可動域をより広くします。6ポンドのボールを持って、足の裏をつけた姿勢で6回腹筋を行ないます。

肩が1秒以上ついたらフォール負けです

「レスリングは1秒肩がついたら負けなので、背中を一瞬だけついてから上げましょう」と林さん。息が上がっているため、かなりしんどい!

この「引く」「押す」「起き上がる」といった基本動作を軸とした3種目を6分間繰り返します。「4周はいってほしい」(林さん)という目標を決めてチャレンジ。1セット目は4周とROWで2キロカロリーでしたが、疲労がたまっているはずの2セット目では、4周とROW6キロカロリーをクリア。最後は息も絶え絶えでした。

「6分間動き続けられる体力と、2ラウンド目に数字を伸ばしてくる、負けず嫌いの情熱が見られましたね」(林さん)

3分間の休憩をはさんでもわずか15分のトレーニングですが、ラウンド数を重ねるためにスピードを上げていくことで、効果的に強度を上げることができます。林さんの言葉通り、現役時代のような負けん気を発揮し、延長戦になったら負けなかった選手時代を呼び起こされました。

というわけで、今回はここまで。林さん、ありがとうございました。

取材協力=Feelin’Good 虎ノ門ジム

 

【トレーナーPROFILE】
林健太(はやし・けんた)
1987年3月27日、京都府出身。14歳からプロレスラーを目指してウエイトトレーニングを始め、学生時代はレスリングに取り組む。プロレス団体に入門したが、ケガでプロレスラーへの道を断念し、フィットネスの魅力を伝えるためトレーナーに。Feelin’Goodトレーナー、SIXPAD HOME GYMインストラクター、スパルタンレースSGXオフィシャルコーチなど、幅広く活躍する。パーソナルのお問い合わせは下記HPやSNSより。
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佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。