メンタル危機からV字回復の昨年。磨かれた心体で挑む新天地は?




身長別のスタイルを競い、夏が一番似合う男性・女性を決める大会であるSUMMER STYLE AWARDが、今年も全国で開催される。3月25日(土)のTHE BEGINNING(埼玉予選)を皮切りに開催される今シーズンも、熱戦が展開されることだろう。

そこで今回、VITUP! 編集部が昨年の決勝大会でクラス優勝をはたした選手たちに取材を実行し、今シーズンへの意気込みを聞いた。今回登場するのは、昨年12月の決勝大会にてビキニモデル部門トール(161㎝以上)クラスで優勝、オーバーオール優勝にも輝いた古田智香さん。圧巻の仕上がりで昨年を終えた彼女だが、活躍の裏には知られざる苦悩があった……。そんな古田さんの今シーズンへの意気込みとは?

どれだけトレーニングを重ねても、一番大事なのは当日の気持ち

――昨年は決勝大会でビキニモデルのオーバーオール優勝を獲得されるなど、大きな結果を残した年になりました。振り返っていかがでしたか。

「みなさんには『順調な年だったね』というお言葉をいただくのですが、じつは自分の中ではいろいろな迷いがありました。ただその分、決勝大会で結果が出た時はすごくうれしくて、あっという間の1年だったなと思います」

――『どう見ても欠点がないくらい完璧にしたかった』と思っていたと伺いました。追い込み過ぎてしまった部分があったのでしょうか

「そうですね……。体づくりとメンタルの両方で苦戦していたと思います。2位だった大会で審査員の方々からフィードバックをいただいた時に、『ダメではないが強いて言うなら……』というようなお言葉をいただくことが多かったので、体を完璧にしなければと追い込んでしまった部分もあると思います」

――メンタルに余裕がないことは、ステージにも現われてしまうかもしれないですね。

「はい。今まではみんなに見てほしいという感覚で、すごくポジティブな気持ちでステージに臨んでいたのが、すごく怖く感じてしまった時期もありました」

――そのような状況の中で、決勝大会で結果を出せた要因は何だったのでしょうか。

「決勝大会で絶対に優勝したかったので、『どういうメンタルで臨んだらよいのか』を1年かけて探ったり、サマスタの事務局の方やスタッフのみなさまに相談させていただくなど試行錯誤を重ねてきました。そういった中で自分なりの境地に達して、日本大会は強い気持ちで臨むことができたと思います。やっぱりどれだけトレーニングして体をつくっても、当日の気持ちが一番大事なんだなと実感しましたね。決勝大会の後のプロ戦では準優勝でしたが自然と悔しい気持ちはなく、やり切った充実感が残りました」

プレッシャーを乗り越え、堂々としたステージを見せた古田さん

――今シーズンはどのように取り組んでいきたいですか。

「今年は自分の中で、新しい挑戦をしたいと思っています。他団体である『J-CLASSIC』のビキニに挑戦して、コンディションのつくり方や筋肉のバランスについて学んでいきたいです。ポージングもサマスタとはまったく違うので、しっかり練習して違うステージでも実績を残せるようにがんばっていきたいです」

――さらに高みを目指されるのですね。

「はい。新しい刺激を得ることで、学びのチャンスをつくりたいと思いました。とくに韓国にはすごく憧れをもっているので、J-CLASSICの予選を必ず通過して、韓国で行なわれる国際ボディビル・フィットネス大会の『K-CLASSIC』でどこまで自分が通用するのかを試してみたいと思います。私のことを初めて見る方々からいただく評価は、すごく自分の糧になると思ったので、新しい挑戦をしていきたいと思います」

――ちなみにサマスタには出場されるのでしょうか。

「はい。7月のビューティーフィットネスモデルのプロ戦と、プロのビキニモデルに出場する予定です。ベティと迷いましたが、今のところはビキニモデルの2連覇を狙って、今年もどこかで予選に出ようと思っています」

取材・文/森本雄大
写真/中野皓太

試行錯誤の1年を乗り越えた古田智香が、昨年の雪辱をはたすオーバーオール優勝を獲得【SUMMER STYLE AWARD 決勝大会】

【フォトギャラリー】12/03(土)開催 SUMMER STYLE AWARD 決勝大会(ビキニモデル、ベティ)