「かっこいいマッチョとは?」というテーマについて、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)の辻本俊子専務理事に語っていただく本企画。前回伺ったポイントは、全身のバランスが大切ということでした。では実際に鍛える際は、各部位をどのような比率で鍛えるのが好ましいのでしょうか。数多のマッチョを見てきた辻本理事に、その秘訣を伺いました。
全身で見ると「Y字」のような体が理想
バランスのよい体がかっこいいマッチョの条件とお話しました。具体的に数字で決まっているわけではありませんが、肩幅:ウエスト:骨盤=3:1:2くらいだとバランスがよいのではないかと思います。
胸や背中・肩・腕は大きく鍛えられ、そしてウエストにいくにつれて細くなるほうが、上半身の筋肉は評価されますので、だいたい先述したバランスだとキレイな体になるのではないかなと思います。
男性競技は筋量や大きさ重視のボディビルと、細身でスタイリッシュな体を競うフィジークに大別されると前回お伝えしましたが、こういった体はボディビルよりも、フィジークに多いかもしれません。
逆三角形の体型をつくるにはウエストが細くないと、いくら上半身をつけても逆三角形のきれいな形にはならないと思います。逆三角形のラインをわかりやすくいうと、上半身はV字のような三角形。全角の「V」だと広がりすぎるので、半角の「v」くらいがちょうどいいですね。そしてウエストは細く引き締まっているのが理想なので、全身で見ると「Y字」のようなボディが理想です。全角のVはがっちりとしたボディビル向きの体型です。
ボディビルでは、求められる体のベースはそこまで変わらないですが、筋肉の大きさや厚みが必要となってきます。ボディビルも昔はごつさというか、岩のような大きな体が評価されていたところがありました。しかし審美性といいますか、ボディビルの芸術的なところも評価するようにしないと、広く受け入れられるかっこよさとは離れてしまうのではないかというところがあり、最近は体全体のラインの美しさを評価する傾向にあります。
胸や肩まわり、腕を大きく太くし、ウエストにいくにつれて細くなっていくというのが、かっこいい体のシルエットだと思っていいと思います。
◆次回は、一見すると女性のイメージがあるお尻のトレーニングについて
辻本俊子(つじもと・としこ)
JBBF(公益社団法人 日本ボディビル・フィットネス連盟)にて専務理事、競技ルール委員会委員⾧、広報委員会委員長を務める。第1回東京クラス別ボディビル選手権46kg級優勝、第5回東京ボディビル選手権大会ミスの部優勝、社会人ボディビル選手権大会マッスルの部優勝、日本クラス別ボディビル選手権大会52kg級優勝、日本ボディビル選手権大会第10回女子の部優勝、ワールドゲームス(オランダハーグ)52kg級7位などの実績を持つ。
取材・文/森本雄大
写真/木村雄大