日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)の辻本俊子専務理事へのインタビュー企画。ここまでは「かっこいいマッチョとは?」というテーマでお届けしました。とはいえ、近年は女性のジム通いが普通になるような時代。女性目線として、美しい体づくりへのヒントも知りたいところです。そこで今回からは別テーマとして、「女性のコンテストでの評価基準」について話を伺いました。まずは導入として、女性が目指すべき体とトレーニングの効果について。
女性のテーマは「引き締まった美しい体型」
「女性の体づくりにトレーニングが必要なの?」と疑問を感じる方も多いと思います。男性を見ていると「筋トレ=マッチョ」ですから、当然かもしれません。
ただ前提として、女性がトレーニングで目指すべき体というのは、男性とまったく異なるものです。根本的に、扱える重量が女性と男性では圧倒的に違いますよね。もし仮に同じ重量を扱えたとしても、筋肉のつき方として男性のほうがつきやすいですし。大きくなりやすい。女性はある程度の限界値はあると思うので、その違いは大きいと思います。
そんな中、女性が筋トレで美しくなるためのポイントは、引き締まった体をつくること。そして、体のメリハリ感を出すことです。まず筋肉をつけないと、体のメリハリ感は出てこないのです。ダイエットをしても「細くなるだけ」、「体重上の数字が少なくなるだけ」という女性が多いことでしょう。ダイエットは体づくりにおいて削る作業であって、出るところをつくるための作業はトレーニングになります。
筋肉に刺激を入れてあげることによって、ヒップに女性らしい丸みが出る、ウエストのくぼみが出る、背中の筋肉が出て姿勢がよくなるなど、魅力的な体を手に入れることができます。また、女性の場合は筋トレで血流がよくなることで、冷え性など体の悩みの改善につながるケースもあります。汗をかくことで肌つやがよくなりますし、体の代謝も向上します。脂肪がつきづらい体質になることで、体型の維持にも一役買ってくれるでしょう。
まずは前提として、「美しい体づくりにはトレーニングも必要なんだ」と思ってもらえれば、筋トレに対するモチベーションも上がると思います。そこからが、体づくりの始まりになると思います。
◆次回は本題の、コンテストにおける女性の評価基準について
辻本俊子(つじもと・としこ)
JBBF(公益社団法人 日本ボディビル・フィットネス連盟)にて専務理事、競技ルール委員会委員⾧、広報委員会委員長を務める。第1回東京クラス別ボディビル選手権46kg級優勝、第5回東京ボディビル選手権大会ミスの部優勝、社会人ボディビル選手権大会マッスルの部優勝、日本クラス別ボディビル選手権大会52kg級優勝、日本ボディビル選手権大会第10回女子の部優勝、ワールドゲームス(オランダハーグ)52kg級7位などの実績を持つ。
取材・文/森本雄大